【変形性膝関節症の改善技法最前線】一人ひとり原因と症状が異なる変形性膝関節症!現場を知る柔道整復師(国家資格)が徹底解説

変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減り、変形してしまう病気です。
変形性膝関節症の患者さんは、股関節の痛みや機能障害によって、日常生活にさまざまな支障をきたします。
痛みに関する症状。
「階段の上り下りが特に痛い」
「正座やしゃがむ動作が困難」
「膝が痛くて、歩くのがつらい」
「夜間や安静時にも、膝が痛むことがある」
「痛みのために、長時間立っているのが難しい」
「膝だけでなく、股関節や足首にも痛みを感じる」
「立ち上がりや歩き始めに、膝に強い痛みを感じる」
機能障害に関する症状。
「歩行距離が短くなった」
「膝に水が溜まりやすい」
「膝が硬くなって、動きにくい」
「歩行時に、膝がガクガクする」
「膝が腫れて、熱を持っている」
「膝が十分に曲がらず、正座やしゃがむ動作が困難」
日常生活への影響に関する症状。
「痛みのために、趣味の活動(旅行、スポーツなど)を諦めざるを得ない」
「痛みのために、夜眠れない」
「家事や仕事に支障が出ている」
「痛みのために、外出するのが億劫になった」
「痛みのために、精神的に落ち込んでいる」
その他の症状。
「膝から音がする」
「膝の変形が気になる」
「膝が不安定で、転びやすい」
最近、『接骨院十字堂』に来院された患者様は、いろいろな症状が重複して苦しんでいました。
「子どもは独立し、主人は趣味三昧、自分はスポーツとパートの仕事。上り下りや正座からの立ち上がりで痛い。腰痛、ばね指、腱鞘炎もあるが負担かけなければなんとか生活できる。もう少し長く趣味やパートの仕事を続けたい」(70代女性)
「定年後パートの仕事をしているが、階段や歩くと痛いがなんとか動けている。股関節や腰まわりも問題があり、背骨も側弯してゆがんでいる」(70代男性)
「若いころスポーツで膝を傷め、だんだん変形もでてきた。整形で注射やシップも長いこと使ってきたが、あまり効かなくなってきた。天気の悪い日や寒い日は特に症状が出やすい。完全によくなることは求めてないが、ちょっと楽になって、長持ちするようにしたい(手術はしたくない)」(70代女性)
私たち柔道整復師(国家資格)は、お一人おひとりの症状を詳しくお聞きして情報を把握し、根本原因を突き止め施術に役立てます。
- 痛みの程度や性質
- 痛みの出現部位や範囲
- 日常生活動作(ADL)の障害
- 既往歴や生活習慣
- 精神的な状態
- 膝の可動域や安定性
- 膝周囲の筋肉の状態
これらの情報を総合的に判断し、患者さん一人ひとりに合わせた施術プランを作成します。
変形性膝関節症が気になったら、早めに専門家にご相談ください。
目次
⒈ 変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減り、変形してしまう病気です。
主な症状は、膝の痛みと機能障害です。
(1) 変形性膝関節症が痛い理由
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が徐々にすり減り、最終的には骨同士が直接ぶつかり合うようになる進行性の病気です。
軟骨は、骨の表面を覆い、関節の動きを滑らかにするクッションのような役割を果たしています。
この軟骨が損傷すると、痛みや関節の動きに制限を引き起こします。
軟骨自体に神経のセンサーはなく、削れた破片が滑膜という膜に当たることで痛みを感じます。
軟骨がすり減るから痛いのではなく、すり減った破片が膜に当たることで痛みが生じます。
末期になって軟骨の下の骨の部分に当たると、骨膜を刺激して激痛になります。
変形性膝関節症は、膝関節よりも、足をついたときの衝撃を下半身で吸収できているかが大事です。
衝撃をうまく分散、吸収できていれば、たとえ膝関節が変形していても痛みはあまり感じないことが多いのです。
ただし、それには限度があるので、変形の初期から生活を変え、可動域を増やすよう血流を増やして柔らかくしておくと、痛みのない期間が長く維持できると思います。
(2) 変形性膝関節症の原因
変形性膝関節症の原因は、大きく分けて以下の2つがあります。
① 一次性変形性膝関節症
一次性変形性膝関節症は、一般的に、加齢による軟骨の劣化が主な原因と考えられています。
遺伝的な要因や長年にわたる膝への負担のほか、細胞分裂するときに化学物質や電磁波の影響などでうまく細胞が形成されず、機能が十分に発揮できないという説もあります。
血流不全や悪い姿勢により局所への負担がかかり続けることで、骨は変形を続けることから、細胞分裂する際の環境と膝への負担が分散されてないことが原因ではないかと考えられます。
また、重度の変形でなければ、血流が改善することで関節の可動域が広がって痛みが軽減する方が多いです。
中程度の変形までは、足や股関節、骨盤など周囲の関節の可動域が増えて、負担を分散させることができれば、痛みが緩和する可能性が高いといえます。
「加齢による軟骨の劣化」という説明をよく耳にしますが、本当にDNAだけの問題なら、分裂回数の少ないタイプが生き残ってきたのは矛盾があるように感じます。
② 二次性変形性膝関節症
二次性変形性膝関節症は、以下のような病気や怪我が原因で起こります。
- 膝の怪我(半月板損傷、靭帯損傷などにより、膝にかかる衝撃が分散しにくい。軌道がぶれる)
- 関節リウマチ(炎症により変形)
- 肥満(体の重さよりも、腹圧低下、血流悪化、膝を常に曲げた悪い姿勢などが原因)
- その他の病気や手術
(3) 変形性膝関節症の症状
変形性膝関節症の主な症状は、以下の通りです。
① 痛み
初期には、立ち上がりや歩き始めに痛みを感じることが多いです。
進行すると、安静時や夜間にも痛みを感じるようになります。
特に、階段の上り下り、正座、しゃがむ動作などで痛みが増強します。
② 可動域制限
膝の動きが悪くなり、日常生活動作が制限されます。
特に、膝を曲げ伸ばしする動きが制限されます。正座やしゃがむ動作が困難になります。
③ 歩行障害
痛みをかばうために、歩行時に膝がガクガクしたり、歩幅が狭くなったりします。
進行すると、杖や歩行器が必要になることもあります。
④ その他の症状
・膝の変形(O脚、X脚)
・膝に水が溜まる(関節液貯留)
・膝から音がする(軋轢音)
(4) 変形性膝関節症の進行段階
変形性膝関節症は、進行度合いによって以下の3つの段階に分けられます。
① 初期
軟骨のわずかな損傷と、わずかな骨棘(骨の棘)の形成が見られます。
痛みは軽度で、運動時や長時間歩行時に感じる程度です。
② 進行期
軟骨の損傷が進行し、骨棘の形成も顕著になります。
痛みは強くなり、安静時や夜間にも感じるようになります。
可動域制限も顕著になり、日常生活に支障をきたすようになります。
軟骨自体に神経のセンサーはなく、削れた破片が滑膜という膜に当たることで痛みを感じます。
安静時や夜間痛は、炎症がひどい状態か、血流が悪い状態であると考えられます。
③ 末期
軟骨がほとんどなくなり、骨同士が直接ぶつかり合うようになります。
激しい痛みと高度な可動域制限が現れ、日常生活が著しく制限されます。
2. 「手術はしたくない!」手術を避けるための対策とは?

変形性膝関節症の手術を避けるためには、早期からの適切な対策が重要です。
(1) 早期発見と早期治療
膝に違和感を覚えたり、痛みを感じたりしたら、早めに整形外科を受診し、レントゲン検査などを受けましょう。
早期に適切な治療を開始することで、軟骨の摩耗を遅らせ、進行を抑制できます。
(2) 保存療法の実践
① 運動療法
足や股関節、骨盤など、周囲の関節の可動域を増やし、膝にかかる負担を分散させることが第一です。
そのときに膝まわりが不安定であれば、膝周囲の筋肉を強化し、関節の安定性を高める運動を行います。
② 薬物療法
急性期は限定的に鎮痛薬や湿布などを用いて、痛みを緩和します。
③ 装具療法
進行期にサポーターや足底板などを用いて、膝への負担を軽減します。
④ 体重コントロール
体重が過剰な場合は、膝への負担を減らすために減量することも必要です。
ただし、体重の重さよりも、膝関節の動きの滑らかさや、膝にかかる負担が分散されているかが大事になります。
⑤ 再生医療
近年では、軟骨の修復を促す再生医療も注目されています。
(3)日常生活での注意点
①正しい姿勢
猫背などの不良姿勢は、膝に負担をかけます。
同じ姿勢が続いているとよい姿勢を維持するのは難しいので、定期的に立ち上がってリセットしたり、可能であればスタンディングデスクなどを使用し、なるべく座る時間を減らしましょう。
② 膝に負担のかかる動作を避ける
膝が伸びていない状態で長時間の立ち仕事したり、膝まわりが弱っている状態で重い物を持つ作業は、膝に負担をかけます。
膝は痛みがなければどんどん動かしたほうがよいですが、上記のような負担のかかる作業は、膝に不安な感覚があるなら避けておきましょう。
③ 冷え対策
そもそも冷えは血流不全の原因になるので、血行が悪いと筋肉が硬くなり、負担が集中してしまいます。
膝を冷やすと血行が悪くなり、痛みが悪化することがあるので、レッグウォーマーやサポーターなどを用いたり、ゆっくり湯船に浸かったりして、膝を冷やさないよう気を付けましょう。
これらの対策を実践することで、変形性膝関節症の進行を遅らせ、手術を回避できる可能性が高まります。
3. 変形性膝関節症で柔道整復師の施術が効果的なエビデンス

柔道整復師が行う施術が、症状緩和に役立つ可能性を示唆する研究や臨床報告は存在します。
しかし、関節症に対する柔道整復師の施術効果に関するエビデンスは、まだ十分に確立されているとはいえません。
(1) 柔道整復師の施術が効果を示す可能性のあるメカニズム
① 筋肉の緩和と血行促進
柔道整復師は、手技療法や物理療法を用いて、股関節周囲の筋肉の緊張を緩和し、血行を促進することができます。これにより、痛みの軽減や関節の動きの改善が期待されます。
② 骨盤や脊椎のゆがみの調整
股関節の痛みをかばうことで、骨盤や脊椎にゆがみが生じることがあります。
柔道整復師は、これらのゆがみを調整し、身体全体のバランスを整えることで、股関節への負担を軽減します。
(2) 現時点でのエビデンス
個別の臨床報告や症例研究では、柔道整復師の施術が変形性膝関節症の症状緩和に有効であったという報告が見られます。
近年では、柔道整復師による施術と、病院での治療を併用することで、より効果が上がるという研究結果も出てきています。
4. 柔道整復師の変形性膝関節症の治療法

(1) 手技療法
基本は、血流をよくして筋肉を柔らかくします。
それでも残る硬さに対しては、筋肉や関節そのものにアプローチします。
その結果、滑らかな動きが回復し、膝への負担が減ります。
① 筋肉のケア
膝を曲げた状態で過ごした結果、太ももやふくらはぎが過緊張している方が多く、関節が曲がるのに必要な「遊び」がありません。例えば、しゃがむ動作には、膝だけでなく、お皿まわり、足、股関節、骨盤まわりが全て動きます。
血流をよくしたうえで全ての柔軟性を高めると、負担が分散するため、痛みが軽減します。
② 関節の調整
血流をよくして筋肉を柔らかくしても、それでも残る膝関節のズレや動きの悪さを、手を使って調整します。
膝だけでなく、股関節、骨盤、足など、関節そのものの可動域を広げることで、負担が分散するので痛みが緩和して、日常生活での動きを楽にします。
③ 骨盤のバランス調整
骨盤のゆがみは、膝への負担を大きくすることがあります。
骨盤まわりの筋肉を調整することで、股関節から膝、足までの負担を減らし、症状の改善を目指します。
(2) 運動療法|リハビリと予防
① ストレッチで柔軟性アップ
殿筋、腸腰筋やハムストリングス、三頭筋、前脛骨筋など、膝や股関節、骨盤、足まわりの筋肉や靭帯を伸ばすストレッチを行います。
一人ひとりの状態に合わせたストレッチを指導し、自宅でも続けられるようにサポートします。
② 筋トレで安定感アップ
腹圧が安定しているなら、主に四頭筋や腸腰筋を鍛え、足首、足指、ふくらはぎを使うことで循環を高めます。
膝を支える筋肉を鍛えることで、関節の安定性を高め、痛みを軽減します。
一人ひとりの状態に合わせた筋トレを指導し、自宅でも続けられるようにサポートします。
③ 正しい姿勢で負担軽減
正しい姿勢は、膝への負担を減らし、症状の改善や予防につながります。
その姿勢を保つには、筋力だけでなく、内臓疲労、腹圧なども関係するため、姿勢以前の問題を認識していただいたうえで、日常生活での正しい姿勢や動作を指導し、習慣化できるようにサポートします。
(3) 物理療法|痛みと炎症の緩和
① 温めて血行促進
運動不足の方や血管が細い方は、膝が冷えやすく痛みを感じやすいため、ホットパックや超音波などで患部を温め、血行をよくすることで、筋肉の緊張を和らげます。
痛みの軽減や関節の動きの改善を目指します。
② 電気で痛み緩和
低周波や干渉波などで筋肉や神経を刺激し、痛みを和らげ、筋肉の動きを促します。
痛みの軽減や筋力回復を目指します。高周波によりインナーマッスルを鍛えることで、腹圧を安定させ、膝まわりの筋肉が使えるようにすることもあります。
③ 冷やして炎症抑制
アイスパックなどで患部を冷やし、炎症を抑え、痛みを和らげます。
急な痛みや腫れに効果的です。
(4) その他のサポート
① テーピングで安定感アップ
テーピングで膝関節を安定させたり、筋肉の動きを助けたりします。
痛みの軽減や運動機能の改善を目指します。
② 生活習慣のアドバイス
内臓疲労、睡眠不足、運動不足、排泄がうまくいかないなどにより活性酸素が発生し、酸化、炎症が起こり、ゆがみが発生します。
その姿勢のまま動かすので、膝が損傷してしまいます。
ある程度は再生しますが、これを繰り返すことで膝が変形していきます。
そのため、一人ひとりの状態やニーズに合わせて日常生活での注意点や予防法などを指導し、症状の再発を防ぎます。
(5) 柔道整復師の施術の特徴
① 手を使ったケア
柔道整復師は、手を使った施術に長けており、患者さんの状態を丁寧に確認しながら、的確な施術を行います。
② 運動との組み合わせ
手を使ったケアは1日のうちの数十分しかできませんが、運動と組み合わせることで血流を回復させ、新陳代謝が行われ損傷が再生します。
日常的に運動を取り入れることで、より回復が早まり、効果が積み上がっていくのです。
③ 物理療法も活用
細かいところや全体は手を使うほうが効果的ですが、局所なら物理療法は安定した効果を発揮します。
状態に合わせてうまく取り入れることで、痛みの緩和や組織の修復を促します。
④ 生活全体をサポート
一人ひとりの状態や、原因に合わせた日常生活での注意点や予防法を指導することで、再発防止に努めます。
⒌ 変形性膝関節症の改善事例

■70代男性のAさん
「もう手術しかない」整形外科でそう宣告されたとき、Aさんは絶望の淵に立たされていました。
長年、膝の痛みに悩まされ、ついに変形性膝関節症と診断されたのです。
手術への不安、そしてこれからの生活への絶望感…。
Aさんは藁にもすがる思いで、私たち『接骨院十字堂』に来院されました。
私はAさんの膝の状態を診察し、自信を持って言いました。
「まだ諦めるのは早いです。手術をしなくても、膝の痛みは改善できますよ。」
実は、私の母は手術を宣告されてから12年間、手術を先延ばしすることができました。
最終的には、膝の骨のゆがみが深刻だったので手術を選択しました。
息子として、治療家として、もう少し早く母親の痛みに気づいていたら…。
母は手術をしなくて済んだはずなのです。
Aさんは、どうにか手術を避けることができました。
私はホッとしました。
「できれば、手術を避けてほしい…」
「早めに膝の動きを正常に戻したい…」
「自分の力で身体を治してほしい…」
私はこのように思っています。
なぜならば、手術では根本的な膝の治療にはならないからです。
変形性膝関節症は、放置すると悪化する可能性があります。
早めに専門家に相談し、適切なケアを受けることが大切です。
変形性膝関節症の原因は一人ひとり違うので、症状や改善法も異なります。
もし、膝の痛みで悩んでいるなら、早めに専門家に相談し、ご自身に合った改善を目指してください。