【四十肩、五十肩改善技法の最前線】一人ひとり原因と症状が異なる四十肩、五十肩!現場を知る柔道整復師(国家資格)が徹底解説

【四十肩、五十肩改善技法の最前線】一人ひとり原因と症状が異なる四十肩、五十肩!現場を知る柔道整復師(国家資格)が徹底解説

「つらい四十肩、五十肩、もう諦めるしかない…?」そう思っているあなたへ。

こんな症状は四十肩、五十肩が原因かもしれません。

「左腕が肩より上に上がらない。四十肩の状態で後ろにも前にも回らない…」
「高い所に手を伸ばしたときや、肘をひねったときに痛みが走る…」
「腕を前に出してごはんの支度をしていると激痛が走り、物を落としそうになる…」
「左肩から腕にかけて痛くて、後ろに手を回すことができず、上げるのもやっとだった…」
「仰向けでも、右下にして寝ても痛かった。2週間くらい整形に行ってもよくならなかった…」
「重いものを肩にかけると痛い。寝返り、物を持つとき、ふと捻じるときに痛い、痛みで目が覚めるときも…」
「ズボンをはこうと引き上げたとき、パソコン入力のとき、机の高さが合わなくて力が入ると痛い、台所で包丁を使うとき、力が入ると痛い…」

『接骨院十字堂』には、深刻な訴えで来院される方が増えています。

「猫背で首に負担かかる姿勢で、運転やデスクワークなど同じ姿勢が多い。
疲労が抜けないときなどに、ちょっとした動きやひねりで痛いが、ごまかしながら仕事や生活している。なかなかよくならないので、ひどくならないよう治したい…」(40代男性)

「子どもが大学や社会人になって、自分はパートをしながら家事をしているが、趣味のヨガなども始めて生活は充実。
急に肩が痛んで、病院に行っても全然よくならず、悪化。
寝ていても痛くて血流の問題あり、姿勢はよいが、背中や肋骨が硬い。
痛みなど気にせず、もっと生活を楽しめる状態に戻りたい…」(50代女性)

「子どもが独立、主人が亡くなって一人暮らし、体操や散歩など努力しているが肩はなかなかよくならない。半ばあきらめ、自分が我慢すればいいだけと思いつつ、もう少しよくなるならなんとかしたい…」(60代女性)

実は、四十肩、五十肩の原因は人それぞれ。
そして、その原因に合わせた適切なアプローチをすることで、症状は改善に向かう可能性があります。

この記事では、四十肩、五十肩の専門家である柔道整復師が、その原因から改善策までを徹底解説。
現場を知り尽くした柔道整復師だからこそ語れる、四十肩、五十肩のリアルな情報をお届けします。

1.  四十肩・五十肩の症状チェック

四十肩・五十肩は、肩関節周囲の組織に炎症が起こり、痛みや可動域制限を引き起こす疾患です。
症状のチェックリストと、それぞれの症状について、詳しく解説します。

(1)  症状チェックリスト

以下の項目に当てはまるものがあれば、四十肩・五十肩の可能性があります。

①   肩の痛み

  • 安静時にも肩に痛みがある
  • 夜間に痛みで目が覚めることがある
  • 特定の動作(腕を上げる、後ろに回すなど)で痛みが強くなる

②   肩の可動域制限

  • 腕を上げることが困難
  • 腕を後ろに回すことが困難
  • 日常生活動作(服の着脱、髪を洗うなど)が困難

③   その他

  • 肩周辺の筋肉のこわばり
  • 肩周辺の圧痛

(2)  症状の詳細

①   痛みの特徴
四十肩・五十肩の痛みは、鈍く、じわじわとした痛みが特徴です。
急性期には、激しい痛みを感じることもあります。夜間痛が強く、睡眠を妨げられることがあります。
痛みは、肩だけでなく、首や腕に広がることもあります。

②   可動域制限の特徴
四十肩・五十肩では、肩関節の可動域が制限されます。
特に、外転(腕を横に上げる)、外旋(腕を外側に回す)、内旋(腕を背中に回す)の動作が制限されます。可動域制限は、日常生活動作に支障をきたすことがあります。

③   病期による症状の変化
四十肩・五十肩は、一般的に「急性期」「慢性期」「回復期」の3つの病期に分けられます。

  • 急性期

発症後2週間程度。激しい痛みがあり、可動域制限も急速に進行します。
夜間痛が強く、睡眠を妨げられることがあります。安静時痛や夜間痛が強いときは、血管に石灰沈着していることもあるので、投薬や注射などで炎症を抑えることも必要です。
ただし、ベースは循環不良によるものが多いので、お腹のマッサージや背骨のストレッチ、など循環を促進する目的で、肩以外を痛みのでない範囲で動かしてください。

  • 慢性期

発症後2週間~半年程度。痛みは徐々に軽減しますが、可動域制限は残ります。
肩周辺の筋肉がこわばり、日常生活動作に支障をきたすことがあります。
炎症が収まってきたら、積極的に動かしていきます。
ただ、これも痛くない範囲、角度で行いましょう。
肩だけでなく、肋骨や肩甲骨まわりなど上半身全体が硬いため、無理に動かしても炎症を強めるだけなので、徐々に動かす範囲を広げていきましょう。

  • 回復期

発症後半年~2年程度。痛み、可動域制限ともに徐々に改善します。
完全に回復するまでには、時間がかかることがあります。
炎症がひどいと「癒着」といって組織がひっついてしまうケースがあります。
その場合はマッサージでは取れないので、コラーゲンやエラスチンという繊維を温めたうえで、可動域を広げる必要があります。
このとき、超音波など深部まで熱を加える道具を使ったほうが組織は緩みます。
また、徒手での施術の効果がないようであれば、関節包を手術で切開したり、内視鏡で血管を広げるような手法もあるようなので、そちらも検討してもよいかもしれません。

④   注意点
これらの症状は、あくまでも目安であり、自己判断は禁物です。
症状が気になる場合は、早めに整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けてください。
また、自己判断でのストレッチや運動は症状を悪化させる可能性もあるので、専門家の指導のもとで行うようにしてください。

2.  四十肩、五十肩とは?四十肩、五十肩の原因

四十肩・五十肩は、40代~60代に多く見られる肩の痛みと可動域制限を主な症状とする疾患です。
正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれます。
原因ははっきりと解明されていませんが、加齢に伴う肩関節周囲の組織の変性や、血行不良、運動不足などが複合的に関与していると考えられています。

私見では、4種類の問題があります。

一つ目は、細胞レベルの問題です。

生活の中での要因(酸化、糖化、炎症、電磁波の影響)により、細胞自体がうまく働けない状態となり、食事や運動など健康に気を付けていても、新陳代謝がうまく行われません。
だから炎症が起きてもなかなか収まらず、姿勢が崩れているため、同じ所に負荷がかかって症状に発展していき、長期化するのです。
全体の血行が良い人や内臓が丈夫な人は薬を飲むと炎症が収まりますが、血行の悪い人や内臓が疲れている人はなかなか収まりませんし、再発しやすいです。

二つ目は、血行不良です。

全体の循環量が少ない問題もありますが、部分的な詰まりの問題があります。
前者は、運動不足、栄養不良で血液を作れない。後者は、内臓疲労によって老廃物を処理しきれなくて、腹圧低下、姿勢不良が起きます。
その結果、姿勢を維持するために、上半身、とくに肩甲骨や鎖骨、首まわりが常に緊張して、部分的な血行不良が発生し、肩や上肢に行く血管や神経の通り道を邪魔してしまいます。
同時に、内臓疲労は反射的に背中の緊張を作り、自律神経や硬膜を介して首や頭の緊張とも関連します。

三つ目は、筋骨格の負担が局所に集中することです。

本来は、体幹が安定して、脊柱が柔かく、肩甲骨、鎖骨、肋骨、上肢、手、指と滑らかに動いていれば、負担が分散されます。
それが姿勢不良により、肩の土台となる肩甲骨、脊柱、肋骨、鎖骨の動きがなくなり、肩だけで動かそうとするので、ぶつかって炎症が起こり、回復しない場合、症状となって現れます。

四つ目は、過去のケガや病気です。

組織の変性や癒着があると、血行が良くなっても肩の動きがもとに戻らなかったり、土台となる脊柱が不安定になり、悪い姿勢に戻ってしまいます。

(1)  原因

①   加齢に伴う組織の変性
肩関節を構成する腱板、関節包、滑液包などの組織が、加齢や生活の中での要因(酸化、糖化、炎症、電磁波の影響)などにより変性し、炎症を起こしやすくなります。

②   血行不良
肩関節周囲(鎖骨、肩甲骨、肋骨)はもちろん、全身(脊柱、骨盤、頭蓋内の脳脊髄液の流れ、内臓での老廃物の処理も含め)の血行が悪くなると、組織の修復が遅れ、炎症が慢性化しやすくなります。

③   運動不足
肩関節だけでなく、全身を動かす機会が減ると、関節周囲の組織が硬くなり、姿勢不良なども加わって炎症を起こしやすくなります。

④   姿勢の悪さ
肩は身体の中で一番動きの大きい関節です。
骨による支えが少なく、筋肉でバランスをとりながら動いています。

そのため、体幹が安定することが最も重要です。
体幹が安定するから、鎖骨や肩甲骨、肋骨が自由に動くことができます。

それが内臓疲労などにより腹圧が低下すると、猫背など不良姿勢が起きます。
猫背だと、鎖骨や肩甲骨まわりは身体に張り付いて姿勢を維持するので、土台が動かないだけでなく、肩や腕に行く神経や血管の通り道を塞いでしまいます。

さらに巻き肩で肩の骨がずれたまま動かすと、炎症を引き起こしやすくなります。
加えて、内臓疲労により全身が血行不良なので、炎症が長期化していまうのです。

⑤   ストレス
ストレスは、自律神経(交感神経が興奮)を介して全身の筋肉の緊張を高め、くいしばりで顎まわりの緊張も高まると、肩や上肢への血行不良が起こります。
同時に迷走神経や硬膜を介して、内臓や頭蓋まわりの膜の緊張が起きて、やはり血流不全を引き起こすため、四十肩・五十肩の発症や悪化に関与する可能性があります。

⑥   内臓疲労
食べ過ぎ、飲み過ぎ、睡眠不足だけではなく、内臓疲労していると、炎症の回復が遅れ、炎症が慢性化しやすくなります。
また、老廃物を処理する肝臓や腎臓は、細胞レベルで酸化、糖化、炎症でうまく働けないと、そこで渋滞が起きて膨らみます。
重くなった内臓は下垂し、腹圧が保てず、不良姿勢になりやすくなります。
例えば、右肩なら肝臓、左肩なら心臓や胃の影響を受けやすいです。

(2)  症状

①   肩の痛み
初期には、肩を動かしたときや夜間に痛みを感じることが多いです。
進行すると、安静時にも痛みを感じるようになります。

②   肩の可動域制限
肩を上げたり、回したりすることが困難になり、日常生活に支障をきたすことがあります。

③   その他
肩周辺の筋肉の萎縮したり、肩周辺の腫れや熱感が生じることがあります。

(3)  四十肩・五十肩の経過

四十肩・五十肩は、「炎症期」「拘縮期」「回復期」を経て回復に向かうとされています。

①   炎症期
強い痛みを感じる時期です。夜間に痛みが増強することがあります。
肩関節の可動域が制限され始めます。

②   拘縮期
痛みは徐々に軽減しますが、肩関節の可動域制限がさらに進行します。
日常生活に支障をきたすことがあります。

③   回復期
痛みと可動域制限が徐々に改善し、日常生活を取り戻せるようになります。

(4)  注意点

四十肩・五十肩と似た症状を示す疾患もあるため、自己判断せずに医療機関を受診することが重要です。
早期に適切な治療を行うことで、症状の改善や回復期間の短縮が期待できます。
四十肩・五十肩は、放置すると慢性化し、日常生活に支障をきたす可能性がありますので、早期に適切な治療を受けることが大切です。

3.  四十肩、五十肩への柔道整復師の施術

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)に対する柔道整復師の施術は、症状の緩和と機能回復を目指し、手技療法、運動療法、物理療法などを組み合わせたアプローチが特徴です。
近年、これらの治療法の効果に関するエビデンスも蓄積されつつあります。

(1)  手技療法

①   筋肉の緊張緩和
肩関節周囲だけでなく、上肢、自律神経にかかわる脊椎、頭、骨盤まわりの筋肉や靭帯の緊張を緩和、血行促進し、痛みを軽減します。

②   関節可動域の改善
関節の動きを制限している組織を調整し、可動域を広げます。

③   内臓、頭蓋の血流促進
血流の滞りを解消することで、内臓下垂や腹圧の改善、全身の緊張を緩和、姿勢の改善を目指します。

(2)  運動療法

①   ストレッチ
肩関節周囲だけでなく、背骨、骨盤、腕、手の筋肉の柔軟性を高め、可動域を改善します。

②   筋力トレーニング
肩だけでなく、体幹を支える筋肉を強化し、安定性を高めます。

③   腹式呼吸
体幹を鍛えるだけでなく、横隔膜を動かし、内臓の位置異常を改善します。

(3)  物理療法

①   温熱療法
血行を促進し、筋肉の緊張を緩和します。

②   電気療法
痛みを軽減し、筋肉の収縮を促します。

③   超音波療法
癒着したコラーゲン、エラスチンに対して、超音波の振動と熱によって物理的に組織を緩めます。

④   EMS
体幹の筋肉を高周波を使って効果的に鍛え、内臓も同時に動かされるため、癒着して血管や神経の挟み込みの改善も期待されます。

⑤   水素を使った施術
一定以上の高濃度の水素を吸入することで、毛細血管の拡張、活性酸素の中和、酸化した細胞の還元(水素=電子がくっついて安定すること)の反応が期待されます。

4.  接骨院で四十肩・五十肩が改善するの?エビデンスと研究で効果を検証!

柔道整復師による手技療法や運動療法が、四十肩・五十肩の痛みや可動域制限の改善に有効であるという研究結果が報告されています。
特に、拘縮期における運動療法は、可動域の改善に効果的であると考えられています。

ただし、四十肩・五十肩は自然治癒するケースも多いため、治療効果の評価には慎重な検討が必要です。

近年では、柔道整復師による治療と、病院での治療を併用することで、より効果があがるという研究結果も出てきています。

5.  柔道整復師の施術のポイント

(1)  病期に応じた施術

  • 急性期:安静と痛みの緩和を優先し、無理な運動は避けます。
  • 慢性期:可動域改善のための運動療法を積極的に行います。
  • 回復期:機能回復と再発予防のための運動療法を継続します。

(2)  個別性を重視した施術

患者さんの症状や状態に合わせて、最適な施術プランを作成します。
日常生活指導。正しい姿勢や動作、セルフケアの方法などを指導し、再発予防に努めます。

(3)  注意点

柔道整復師は医師ではないため、診断や投薬はできません。
症状によっては、医療機関での治療が必要な場合があります。
柔道整復師を選ぶ際は、四十肩・五十肩の治療経験が豊富な柔道整復師を選ぶようにしましょう。

6.  四十肩、五十肩の予防と対策

四十肩、五十肩の基本は炎症性疾患です。
ただし炎症は不快ですが、悪いものではなく、体を治そうとする反応です。
治るまでにはどうしても時間が必要なのですが、その長さは人によって違います。
炎症を早く経過させるためには、次のような点に気を付けて生活しましょう。

(1)  炎症を悪化させない

炎症を起こすような動きを避けて、クッションなどを使って負担を軽くしましょう。

(2)  炎症の原因を減らす

生活の中での大きな要因(食事内容、アルコール、たばこ、睡眠など)を見つけて、改善させたり減らしたりしましょう。

(3)  全体の血流量を増やす

内臓疲労がベースになっているので、血流がよくなる食事をし、内臓を温めたり、マッサージしたり、腹式呼吸で動かしたりしましょう。

(4)  正しい姿勢を保つ

内臓の状態がよくなると腹圧が回復するため、正しい姿勢をとっても以前のようにつらくありません。
硬くなった背骨、鼡径部、肩甲骨まわりを柔らかくして、体幹を安定させましょう。
デスクワーク中は、1時間に1回は休憩を挟み、ストレッチをしましょう。また、スマートフォンを使用する際は、画面を目の高さに保つようにしましょう。

(5)  ストレスを解消する

ストレス解消のために食べ過ぎたり、飲み過ぎたり、たばこを吸ったりした結果、内臓への負担がかかることが多いです。
十分な睡眠をとる、趣味の時間を作る、リラックスできる音楽を聴く、自然と触れ合う、友達と過ごすことなどで、積極的にストレスを解消してみましょう。

四十肩、五十肩は、症状だけを見ると肩の炎症です。
直接の原因は肩の骨や筋肉ですが、本当の原因は、内臓疲労からくる不良姿勢だったり、ストレスの多い生活だったりします。
本当の原因を放置すると着実に慢性化し、さまざまな症状を引き起こす可能性が高いです。
「年だから」という言葉で思考停止せず、日頃から予防と対策を心がけ、つらい症状に悩まされないようにしましょう。

四十肩、五十肩でお悩みの方は、柔道整復師に相談してみてはいかがでしょうか。

一人ひとり、四十肩、五十肩の原因が違うので、症状や改善法も異なります。
専門家に相談し、ご自身に合った改善を目指してください。

著者プロフィール 竹森 孝志(たけもり たかし)

『接骨院十字堂』 院長
柔道整復師

《経歴》
静岡大学卒業 学芸員資格取得
ナショナル整体学院卒業 整体師、リフレクソロジー資格取得
呉竹鍼灸柔整専門学校卒業 柔道整復師資格取得

「家族と一緒に過ごす時間、大事にしませんか?」

東日本大震災の時、持ち出すものはアルバムが多かったそうです。
私もボランティアで現場に足を運んで、話を聞いて、当たり前だと思っていた「家族と一緒にいる時間の大切さ」を実感しました。

故郷にいる母親は膝が変形しており、旅行先ではみんなと一緒に歩けず、日常も家事や買い出しで精一杯でした。自分のことより、人の世話ばかり焼く母なので、元気に動かせる時間をもっと伸ばせなかったのがとても悔しいです。同じような思いを抱えている方の現状を変えたくて今に至っています。

症状はその人の人生を表します。痛い体を責めるのではなく、不器用な生き方を楽にしてあげたい。そんな思いで、親にできなかった理想とする施術を行っています。まずは、あなたのお話をじっくり聞かせて下さい。

竹森 孝志