【更年期の頭痛・めまい、不眠・だるさ改善技法】頭痛・めまい、不眠・だるさに柔道整復師が向き合う最前線!現場を知る柔道整復師(国家資格)が徹底解説

女性ホルモンの影響により自律神経が乱れやすくなる更年期は、さまざまな不調が現れる時期です。
その代表的な症状です。
<頭痛・めまいに関する症状>
「目の奥が痛む」
「頭が締め付けられるように痛い」
「天気が悪い日や、ストレスが溜まると頭痛やめまいが悪化する」
「めまいがひどく、立ち上がるとフラフラする。ひどいときには吐き気もする」
「最近、頭痛が頻繁に起こるようになった。特に、後頭部から首にかけてズキズキと痛む」
<不眠・だるさに関する症状>
「体がほてって寝苦しい」
「体が重く、手足がだるい」
「急に汗をかいて目が覚める」
「常に疲労感があり、何もする気が起きない」
「夜中に何度も目が覚めて、ぐっすり眠れない。朝起きても体がだるく、疲れが取れない」
「寝つきが悪く、布団に入ってもなかなか寝付けない。日中も眠気がひどく、集中力が続かない」
<自律神経系の症状に関する症状>
「手足が冷える、痺れる」
「食欲不振、便秘、下痢」
「動悸が激しく、息苦しい感じがする」
「肩や首のこりがひどく、吐き気がする」
「急に顔がカーッと熱くなる。汗が止まらなくなる」
「イライラしたり、急に悲しくなったり、感情の起伏が激しい」
<精神的な症状>
「更年期の症状がつらく、毎日が憂鬱だ」
「このまま症状が続くのかと思うと、不安で仕方がない」
「家族に理解してもらえず、孤独を感じる」
最近、『接骨院十字堂』に来院された患者様は、いろいろな症状が重複して苦しんでいました。
「小学生の子どもの子育てとパートの仕事をしています。
学生のころから目の奥の痛み、頭痛、首肩こり、背中の痛み、違和感などいろいろ病院にかかってきました。坐骨神経痛、腱鞘炎、頭痛、首、腰の痛み、あごの違和感、胸のつまりなど…、先日、歯医者であごをぐっと開けて以来、首を倒すと痛い…」(30代女性)
「メニエール、難聴もあったが、薬で落ち着いた。頭や首、肩はつねに違和感。
ひどいと横向きでもだめ。寝返りでも動くと痛い。
朝は雑巾しぼるときに手も痛い。あごもときどき痛くて。膀胱の問題で夜中にトイレで起きる。
ヨガなど体操にも行って、食べ物にも気を使っているが家事をするにも支障が出て困っている…」(50代女性)
「仕事でイライラが多く、寝付けない、食欲おちて、呼吸が気になる、ホットフラッシュもある。
鼻炎があり、嗅覚鈍い、ゲップが出る…」(50代女性)
私たち柔道整復師(国家資格)は、これらの症状を詳しく聞いて、お一人おひとり異なる以下の情報を把握し、根本原因を突き止め施術に役立てます。
- 日常生活への影響
- 既往歴や生活習慣
- 症状の程度や頻度
- 症状が現れるタイミングやきっかけ
- 精神的な状態
頭痛・めまい、不眠・だるさが気になったら、早めに専門家にご相談ください。
目次
- 1. 更年期における自律神経の乱れとメカニズム
- (1) ホルモンバランスの変化
- (2) 自律神経の役割
- (3) 社会的な変化
- 2. 更年期による自律神経症状の特徴
- (1) 血管運動神経症状
- (2) 精神神経症状
- (3) その他の身体症状
- 3. 更年期の病院での標準治療
- (1) ホルモン補充療法(HRT)
- (2) 薬物療法
- (3) 漢方療法
- 4. 更年期の原因への異論紹介
- 5. 柔道整復師によるアプローチ
- (1) 骨格・筋肉の調整
- (2) 手技療法
- (3) 運動療法
- (4) 物理療法
- (5) 生活習慣のアドバイス
- 6. 更年期障害に柔道整復師の施術が効果的なエビデンス
- (1) 自律神経の調整
- (2) 内臓の位置調整
- (3) 血行促進と筋肉の緩和
- (4) 骨盤や脊椎の歪みの調整
- 7. 柔道整復師の施術法
- (1) 全身のバランス調整
- (2) 個別の状態に合わせた施術
- (3) 日常生活でのアドバイス
- (4) 注意点
- 8. 不眠症、めまい、耳鳴り、頭痛についてもっと詳しく知りたい方へ
- (1) 不眠症
- (2) めまい
- (3) 耳鳴り
1. 更年期における自律神経の乱れとメカニズム

更年期に起こるホルモンバランスの乱れと、自律神経に及ぼす影響について解説します。
(1) ホルモンバランスの変化
更年期とは、閉経前後の約10年間を指します。
女性ホルモンであるエストロゲンの血中濃度が急激に減少する時期です。エストロゲンは、女性らしい体つきを維持するだけでなく、自律神経のバランスを保つ役割も担っています。
エストロゲンの血中濃度減少により、脳の視床下部という自律神経をコントロールする部分が混乱し、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
(2) 自律神経の役割
自律神経は、私たちの意思とは無関係に、呼吸、消化、体温調節、血圧など、生命維持に必要な機能をコントロールしています。
自律神経には、活動時に優位になる交感神経と、休息時に優位になる副交感神経があり、これらのバランスが保たれることで、心身の健康が維持されます。
更年期におけるホルモンバランスの乱れは、この自律神経のバランスを崩し、さまざまな不調を引き起こします。
(3) 社会的な変化
一般的に、更年期に差しかかる年齢の女性は、身体的な変化だけでなく、育児が終わり、自分の存在意義の喪失感など、自身の人生のありようを問い直す時期でもあるので(「人生の棚卸」とも表現されています)、真面目で一生懸命な方ほど症状が強く出やすいようです。
身体だけでなく、自分のやりたいことを、夢中になれることを見つけるということも大事ではないかと思います。
2. 更年期による自律神経症状の特徴

更年期の自律神経症状は、日によって、時間帯によって、症状の強さが変動することがあります。
症状の種類や程度は、個人差が大きく、全く症状を感じない人もいれば、日常生活に支障をきたすほどの症状に悩まされる人もいます。
更年期における自律神経の乱れは、さまざまな症状として現れます。
ほかの病気の症状と似ている場合があるため、自己判断せずに、医療機関を受診することが大切です。
(1) 血管運動神経症状
卵巣の機能が低下して、命令にうまく応えられなくなり、視床下部や自律神経が混乱するために、以下の症状が起こります。
- ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)
- 発汗(特に夜間の寝汗)
- 動悸
(2) 精神神経症状
更年期は副交感神経が働きにくく、リラックスしにくい状態です。
加えてセロトニンとも連動しているので、幸福感が得られにくい状態でもあります。
さらに子どもの独立や親との死別、仕事の変化など、喪失体験が多い年齢であることも、不調の一因であるといえます。
- 頭痛
- めまい
- 不眠
- イライラ、不安感
- 気分の落ち込み
- 倦怠感
(3) その他の身体症状
- 動脈硬化
コレステロールが余って(脂質異常症)、血管内にプラークが形成されます。
- 骨粗しょう症
骨密度が低下してもろくなります。閉経後2年が特に低下する時期で、15年たつと手足への症状が顕著になります。
対策として、Ca、ビタミンD、Kなどの栄養素を摂取することや、ウォーキングやジョギングなどの運動が効果的です。
- 薄毛
皮膚や髪のターンオーバーが乱れ、薄毛になる場合があります。
対策としては、睡眠を一定の時間にとる、赤身や大豆などのたんぱく質やエクオールの摂取が挙げられます。
- 肩こり
- 腰痛
- 関節痛
- 消化不良
- 便秘、下痢
- 耳鳴り
これらの症状は、一つだけが現れる場合もあれば、複数の症状が重なって現れる場合もあります。
3. 更年期の病院での標準治療

更年期に対する病院での治療法には、主に以下の3つがあります。
(1) ホルモン補充療法(HRT)
ホルモン補充療法とは、エストロゲンを補充することで、症状を改善する治療法です。
閉経している方や、月経はあるけれど卵巣の機能が低下している方に行います。
治療に際し、次のような副作用やリスクがあります。
- 副作用:規則な出血、お腹の張り、乳房の張り、むくみ
- リスク:血栓症(狭心症、心筋梗塞、脳卒中)、乳がん
治療を始める前に、がん、血栓症(狭心症、心筋梗塞、脳卒中)、筋腫、内膜症、不正出血がないことを確認します。
肝臓、腎臓の病気、降圧剤、インスリン治療、乳腺症にも注意が必要です。
(2) 薬物療法
薬物療法は、ホットフラッシュやイライラなどの症状を緩和する薬を服用する治療法です。月経があり、女性ホルモンも正常な方に行います。
なお、低用量ピルは、40歳未満のPMSに使用し、更年期の方には血栓症リスク高いので使用しません。
(3) 漢方療法
漢方療法は、体質や症状に合わせて漢方薬を服用する治療法です。
月経があり、女性ホルモンも正常な方に行います。
イライラ、うつ、頭痛、中途覚醒などの不調の改善につながります。
4. 更年期の原因への異論紹介

更年期の原因についての論文をご紹介します。
「更年期障害の真犯人はエストロゲン優位?」
閉経後、卵巣からのエストロゲン産生は停止し、血中濃度は下がります。
しかし、脂肪組織、骨、皮膚、脳などで産生されるエストロゲンは、更年期以降加齢とともに増加します。
更年期以降に骨粗鬆症になるのは、骨のエストロゲン濃度が高まるためです。
2025年の研究でも、更年期以降で脂肪組織は血液濃度の10倍以上のエストロゲン濃度であることが明らかにされています。
エストロゲンの血液濃度(血清エストロゲン値)が低くても、各組織のエストロゲン濃度は高い値をキープしています。
エストロゲンが原因で発生する子宮がんや乳がんは、更年期以降に多発します。
もし、更年期以降にエストロゲンが減少していくのであれば、子宮がんや乳がんは若い女性に多発するはずです。
一方のエストロゲン作用をブロックするプロゲステロンは、更年期に入ると卵巣の黄体機能が停止し、プロゲステロンの分泌は急激に低下します。
そして、加齢とともにプロゲステロンの分泌は低下していきます。
閉経後の急激なプロゲステロン低下により、「プロゲステロン/エストロゲン比」が低下しエストロゲン優位(エストロゲンドミナンス)状態となります。
副腎からのプロゲステロンは存在するものの、量的には十分ではなく、このバランスの乱れが乳癌を含めた多臓器のがん、自己免疫疾患や骨粗鬆症などのリスクを増加させる因子となります。
なお、現代社会ではエストロゲン優位状態は、女性だけでなく男性(すぐにキレやすい、焦燥感が強いタイプ)にも発生しています。
したがって、更年期障害、あるいは更年期以降にがん、自己免疫疾患やさまざまな心身の不調を経験するのは、決してエストロゲン欠乏が原因ではなく、その逆のエストロゲン優位の状態がもたらした弊害なのです。
本当は、エストロゲンはストレス時に放出されるストレスホルモンの一種です。
ストレス時にはコルチゾールとエストロゲンは同時に放出されて、互いを増強し合うということです。
そして、セロトニンの分泌も高まります。
閉経は卵巣でのエストロゲン産生が終了しただけであり、その他の脂肪組織、副腎、皮膚、乳房、子宮などの各組織ではエストロゲンの産生が高まります(卵巣から脂肪組織がエストロゲン産生のメイン工場になる)。
「エストロゲン優位」とは、エストロゲンの正反対の作用を持つプロゲンステロンというホルモンとの比において、エストロゲンが過剰になっている状態を呼びます。
したがって、更年期障害は決してエストロゲン欠乏で起こる症状ではありません。
むしろエストロゲン過剰(正確にはエストロゲン優位)によって引き起こされている症状なのです。
(論文も多数ありますが、ここでは省略します)
以上の通り、原因を正反対とするため、ホルモンへの対策も標準とは違うものになります。
5. 柔道整復師によるアプローチ

どちらが正しいか判断はつきませんが、エストロゲン補充療法をされても症状に変化がないならば、「エストロゲン血中濃度は減少していて、各組織では濃度過剰」という別の視点から考えてもよいのではないでしょうか。
各組織やそれをコントロールする自律神経の血流を回復させ、ホルモン産生や濃度が改善するには、生活を改善しつつ、施術により自律神経や、骨盤内臓器の環境を整え、身体をよい状態に戻すことです。
(1) 骨格・筋肉の調整
骨盤や背骨の歪みは、筋肉によって引っ張られた結果です。
ではどうして筋肉が引っ張るのか?手足を使った疲労もありますが、内臓の疲労、組織の損傷や骨の変形といった原因が挙げられます。
つまり、骨格と内臓や自律神経、脳への血流は互いに影響しあってバランスをとった結果歪んでいると考えられます。
歪んでいると、頭の位置がずれるため、血行不良を起こし、頭痛、めまいの原因となることがあります。
同時に、内臓の疲労があると、重くなって血管や神経を圧迫したり、周りの筋肉や骨格を緊張させて症状の一因となりやすいです。
柔道整復師は、これらの歪みを脳血流や骨格を調整することで、全身の新陳代謝を促進し、加えて、頭、背中、骨盤を刺激して自律神経の働きを整え、腹部への施術で内臓にもアプローチして症状の改善を図ります。
(2) 手技療法
首や肩の筋肉の緊張は、頭痛やめまいの原因となることがあります。
猫背の状態でデスクワークやスマホを操作していると、姿勢維持のために緊張します。
その状態だと顎も緊張しますし、ストレスなどによる食いしばりでも耳への血流を阻害し、内圧が高まります。
また、頭と首の付け根から尾骨までつながっている「硬膜」という脳や脊髄を包む膜の緊張も関係しています。
そして、胃や食道など消化器系の不調からも、体の中から首や頭を下に引っ張って緊張を生んでしまいます。
柔道整復師は、これらの筋肉の緊張をほぐすことで、症状の軽減を促します。
全身の筋肉を調整することで、リラックス効果を高め、不眠やだるさの改善をサポートします。
(3) 運動療法
ストレッチや体操などの運動は、筋肉の柔軟性を高め、血行を促進します。
特に、腹式呼吸などインナーマッスルを使うことで、迷走神経を介して自律神経のバランスをとることを目指します。
柔道整復師は、個々の状態に合わせた運動指導を行い、症状の改善をサポートします。
(4) 物理療法
温熱療法や電気療法は、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進し、痛みの軽減を促します。
これらの物理療法は、柔道整復師の施術と併用することで、より高い効果が期待できます。
(5) 生活習慣のアドバイス
柔道整復師は、日常生活での姿勢や動作、睡眠環境、食事など、自律神経を整えるためのアドバイスを行います。
これらのアドバイスは、症状の改善だけでなく、再発予防にもつながります。
<一般的な改善例>
①バランスの取れた食事(まごわやさしい)
水分を多くとる。
甘いもの、油、添加物を控える。
なるべく自炊をする。(糖質、たんぱく質、脂質のバランス、野菜やきのこ、海藻で食物繊維やビタミン、ミネラルをとる)
自分に合った発酵食品をとる。(腸内環境次第で個人差がある)
②適度な運動
特に腹式呼吸などを行って骨盤底筋鍛える。
③十分な睡眠
まずは7時間寝る。
【よい睡眠をとるための対策】
朝日を浴びる。(14~16時間後にメラトニンが分泌して眠くなる)
昼寝の時間は30分以内にする。
夕方以降は明るい光を浴びない。(照明をオレンジ色にする)
夕食は寝る4時間前にとる。
ブルーライトは避ける。(スマホは身体から1m以上離して寝る)
寝る90分前に入浴する。(深部体温を上げると深い眠りにつきやすい)
④ストレスを溜めない
6. 更年期障害に柔道整復師の施術が効果的なエビデンス

個別の臨床報告や症例研究では、柔道整復師の施術が更年期障害の症状緩和に有効であったという報告が見られます。
しかし、大規模な臨床試験や厳密な科学的研究はまだ不足しており、柔道整復師の施術の効果を明確に示すエビデンスは限られています。
柔道整復師の施術が効果を示す可能性のあるメカニズムは以下のとおりです。
(1) 自律神経の調整
自律神経が血管や内臓の働きをコントロールしています。
自律神経の中枢は視床下部といって脳にあり交感神経の中枢は背骨(胸腰椎)、副交感神経の中枢は頭(脳幹)、仙骨(仙髄)にあります。
柔道整復師は、脳への血流を回復させたり、筋肉の動きを柔らかくすることで自律神経のバランスを整えることを得意とします。
更年期障害の主な症状は自律神経の乱れに起因するため、この調整が症状緩和につながる可能性があります。
(2) 内臓の位置調整
内臓も筋骨格も膜組織でつながっていて、引っ張りあったり、内圧が高まったりして影響を及ぼします。
内臓が疲労すると血流がうっ滞して重くなり、位置が下がり、周りの組織を引っ張ったり、膨らんで周りを圧迫したり、反射で背中が緊張したりします。
内臓の血流や動きを回復させることで、各組織のホルモン産生や濃度が改善することを目的としています。
(3) 血行促進と筋肉の緩和
手技療法や物理療法により、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進することで、肩こり、頭痛、倦怠感などの症状を緩和することが期待されます。
(4) 骨盤や脊椎の歪みの調整
脳や脊髄は硬膜によって包まれ、中には脊髄液という神経の血液が入っていて、循環しています。
自律神経は、その硬膜を貫通します。
このため、硬膜に緊張や歪みが生じると、脳脊髄液の流れが阻害されたり、物理的に引っ張られたりして、自律神経のバランスが崩れる可能性があります。
脊椎の歪みを戻すことで、運動神経や感覚神経だけの問題だけでなく、中にある硬膜が解決され、脊髄液の流れや自律神経が正常に働きます。
柔道整復師による骨格調整は、これらの歪みを改善し、症状の緩和に寄与する可能性があります。
7. 柔道整復師の施術法

(1) 全身のバランス調整
柔道整復師は、局所的な症状だけでなく、全身のバランスを考慮した施術を行います。
また、いろいろな原因がありますが、条件が整わないと原因が現れないため、身体の状態を見ながら行っていきます。
玉ねぎの皮をむくように順番に施術していくと、根本的な原因にアプローチできます。
(2) 個別の状態に合わせた施術
柔道整復師は、問診や触診、姿勢や動作分析、可動域検査、圧痛、筋力テストを通じて、患者さん一人ひとりの状態を把握し、最適な施術プランを作成します。
(3) 日常生活でのアドバイス
柔道整復師は、日常生活での注意点や予防策など、具体的なアドバイスを行うことで、患者さんの自己管理能力を高めます。
(4) 注意点
柔道整復師は医師ではないため、診断や投薬はできません。
症状によっては、医療機関での治療が必要な場合があります。
柔道整復師を選ぶ際は、更年期症状の施術経験が豊富な柔道整復師を選ぶようにしましょう。
8. 不眠症、めまい、耳鳴り、頭痛についてもっと詳しく知りたい方へ

(1) 不眠症
眠れない状態でも苦痛を感じていなければ「不眠」、苦痛を感じていれば「不眠症」となるそうです。
不眠症は4つのタイプに分けられます。
- 入眠障害:寝付くのに30分~1時間かかる
- 中途覚醒:夜中に何度も目が覚め、寝付けない
- 早朝覚醒:朝早く目覚め、眠れない。日中に眠気がある
- 熟眠障害:寝ているのに疲れが取れない。ノンレム睡眠ができていない。睡眠時無呼吸症候群の可能性あり
① 医学的な原因
- 身体的原因:かゆみ、痛み、呼吸困難、頻尿、むずむず脚症候群
- 生理学的原因:騒音、室温、光、時差ボケ
- 心理学的原因:ストレス(不眠症多い)
- 精神医学的原因:うつ、不安障害に合併
- 薬理学的原因:アルコール、カフェイン、薬の離脱症状、インターフェロン、ステロイド
② ほかに考えられる要因
【睡眠環境】
- 寝室環境:温度、湿度、光、音、匂い、デジタルなど
- 寝床環境:布団、マットレス、枕、パジャマなど。特に、枕やマットレスは、硬さや高さによる脊柱への影響が強い
【生活習慣】
- 食事:メラトニンというホルモンの生成だけを考えると、たんぱく質が材料となって14時間後にメラトニン(睡眠ホルモン)が出るので大事。
腸内細菌の働きによって、神経伝達物質の材料が作られ、免疫細胞のコントロール、炎症にも関わることを考えると、一つひとつの食品だけでなく食事のバランスが大事だといえる。
食事は和食(まごはやさしいに代表される)、発酵食品、食物繊維を中心。
加工食品(悪い油、塩)、牛乳、砂糖、白いもの、カタカナの名前の物を控えるとよい。
目安は、食べたいと思ったものは全体の20%までは許容範囲として、そんなに食べなくても大丈夫なものは止めるように工夫する。
- 運動:疲労すると寝つきがよくなる。
- 入浴:深部体温を上げると、下がるときに睡眠に入りやすくなるので、寝る1~2時間前に入浴する(シャワーでは温まらない)。
- 排泄:1日にバナナ3本分が理想的。食事後すぐに出たり、下痢気味だったり、ガスがたまったりするのは、出てはいるものの腸内の状態はよくない。
特に便秘は有害なガスが出て、再吸収すると血液が汚れるので、下剤でもよいので出すこと(ただし、薬を使うと少なくとも2週間は腸内環境が崩れる)。
- アルコール:寝つきはよいが、後半浅くなるので、就寝時間の3~4時間前までには止める。
- カフェイン:数時間覚醒作用が働くため、就寝時間の2~3時間前までには止める。
- タバコ:カフェイン同様、覚醒作用が働き、眠りが浅くなる。
【身体の状態】
ストレスがかかると自律神経のうち、交感神経が興奮し(血管が縮み、目が開き、毛穴が開く)、全身が硬くなり、内臓機能が低下します。
それが慢性化すると、姿勢が崩れ、呼吸が浅くなり、睡眠の質も低下し、悪循環へ陥ります。
③ 対処法
- 朝のルーチン:
毎朝同じ時間に起きる。日光を浴びる。適度な運動をする(散歩、ラジオ体操など)。 - 夜のルーチン:
音、光をしっかり遮断。枕やベッドの硬さ、高さを見直す。入浴して1時間以内にベッドに入る。 - 日頃の心構え:
睡眠時間にとらわれすぎない。ストレスへの対応。睡眠環境を整える。
それでもうまく睡眠がとれない、朝起きても疲労が抜けないなどお困りでしたら、当院までご連絡ください。睡眠改善プログラムを用意しております。
新陳代謝が起きる環境を整えると、3か月で細胞(赤血球)が入れ替わります。
身体がよくなると、症状もよくなります。
睡眠を邪魔する原因として、食生活、ストレス、薬の影響も強いので、減らせるものは減らして、腸内環境を整える食事、軽い運動をしてストレスに対する生活改善を進めると、より早い改善が期待できます。
(2) めまい
普段からの慢性頭痛であれば、頭痛に伴うめまいが多いです。
めまい+呂律が回らない、物が二重に見える、激しい頭痛がある、マヒや歩行困難がある場合は、重大な疾患を示す症状なので、早急に医療機関を受診してください。
めまいがある方は、水分をとることを意識して、喫煙は控えてください。
めまいの種類には次のようなものがあります。
① ぐるぐる回転する
【耳石(良性)】
- 特徴:
フワフワする
症状の継続は3週間ほど(新陳代謝で消える)
耳なりや難聴はなく、午前中に多い
加齢、閉経後の女性に多い
乳がん、子宮手術、ステロイドにより、エストロゲン低下、Ca代謝低下による
- 対処法
頭を高くして寝る
ビタミンD(きのこ、青魚)、Ca(小魚)をとる
【メニエール(内リンパ水腫)】
- 特徴
回転する
症状の継続は2回以上、数時間
ストレスで内耳に水ぶくれ
耳鳴り、難聴、つまりが片耳に出る
- 対処法
水分をとる
運動をする
【突発性難聴】
- 特徴
聴力の低下、耳鳴り、つまりが突然起こる
症状は1回だけで、時間は短い
片耳に出る
- 対処法
内耳の血流にはステロイド、拡張剤を使用
1週間以内に治療を開始する
ビタミンB12、D、B(はちみつ、レモン)をとる
【前庭神経炎】
- 特徴
ぐるぐる、激しい
症状の継続は2~3時間
過労、免疫低下、ストレスによる
- 対処法
ステロイドで低下
脳梗塞の可能性もあるため、早めに医療機関を受診
② ふらふら動揺する
- 原因
加齢による内耳機能低下、深部感覚、筋力低下
- 対処法
片足立ちをして5秒間キープできるかをチェック。歩行でふらつくなら脳梗塞の可能性も(手足のしびれ、頭痛伴うことも)
聴神経腫瘍でもふらつきが出る+片耳
中枢性のチェック:指を目で追わせる、パタカと繰り返し発音する
バレーサイン:手のひら上にして前ならえの姿勢をしたあと、目を閉じると下がるかどうかを確認する
③ ふわふわ浮動する
- 原因
風邪、貧血、のぼせなどによる自律神経失調
- 対処法
朝に1杯の白湯を飲む
朝食はごはん、味噌汁、納豆、漬物など
昼食は軽めにとり、おやつははちみつレモンなど
夕食は野菜中心で、玄米、豆腐など(寝る3時間前までにとる)
お風呂入り、寝る前はコップ1杯の水を飲む
④ 立ち眩み、真っ暗になる
- 原因
血圧低下、貧血、片頭痛などによる起立性低血圧
子どものめまいも起立性低血圧
朝起きられない、午前中調子が悪い、寝つきが悪い、頭痛(片頭痛へ?)、腹痛
10代は自律神経未熟である可能性
高齢者は降圧剤による副作用も
小食、偏った食事→低血圧(ポンプ弱い)→内耳むくみ→メニエール
気圧センサーは内耳の前庭にあり、血流が不足するとセンサーが過敏に?
- 対処法
生活リズムを整える
⑤ 止まっているものが揺れて見える
- 原因
目、視神経トラブル → 脳腫瘍、心臓の病気
視性めまい → 疲労
- 対処法
早めに医療機関を受診する
⑥ 難治性めまい
- 特徴
耳鳴り、難聴+顎のずれ、歯ぎしり
- 対処法
食事をするときは噛みにくい側から始めて、両方の奥歯で噛む
夕食で血糖値が上がると夜はインスリンで低血糖になるので、夕食は寝る3時間前までにとり、カフェインの摂取は寝る6時間前までにする
⑦ 耳に問題があるめまい
- メニエール:むくみ、つまり、耳鳴り、難聴、ぐるぐる
- 耳石:良性、頭を動かすとぐるぐるする
- 難聴:原因不明、耳鳴り、めまい、ぐるぐる、感音性(ウイルス、血流?不明)
- 前庭神経炎:じっとしていても激しいめまい、吐き気、症状が数日続く
- 内耳炎:風邪のあとの炎症、外リンパ叢(強く鼻をかんだあと)
⑧ 脳に問題があるめまい
一時的なものは生活改善を行い、重症なものは治療が必要です。
- 小脳の異常:体のバランスや運動の調整をしているので、病変が生じるとめまいが起きる
- 脳動脈瘤:一時的に血流が不足すると、椎骨脳底動脈不全で脳幹の働きが低下し、めまい、ふらつきが起きる
- 聴神経腫瘍:耳鳴り、難聴
(3) 耳鳴り
① ストレス
疲労、寝不足、大きな音などのストレスで、耳鳴りが起こることがあります。
一過性のものですが、めまいや吐き気を伴う激しい耳鳴りや、高音の耳鳴りが何日も続く場合は、医療機関での診察が必要です。
② 身体の異常
身体の異常によって起きる耳鳴りは、炎症が原因の場合は治りやすく、脳血管や加齢が原因の場合は治りにくいです。
耳鳴りがする方は、ビタミンB12(魚、貝、レバー)と水分をとり、喫煙は控えましょう。
脳の過剰反応:蝸牛の機能が低下し、音に対する感度を上げている
50代前:めまい、耳鳴り+頭痛・・・メニエール
高齢:脳血管、内耳・・・加齢による難聴
他覚:高血圧からくるものは薬で血圧をコントロールする
低音:ブーン、ゴー・・・気圧、ストレス
高音:キーン、ピー・・・加齢、騒音(治療が必要)
(4) 頭痛
頭痛は、原因不明が90%を占めています。
原因が明確な10%は、風邪による症状、首から後頭部の神経痛、熱中症などです。
l 緊張型頭痛
ストレス、睡眠不足、デスクワークなどが原因で肩や首の筋肉が緊張し、頭痛を引き起こします。
頭全体を締め付けられるような痛みが特徴で、肩こりを伴うこともあります。
症状は数十分から1週間ほど続きます。
l 片頭痛
女性に多く発症するという傾向があります。
拍動性の痛みがあり、4~5時間から2~3日、症状が継続する場合があります。
激しい頭痛のほか、光、音、匂い敏感になったり、吐き気やめまい、耳鳴りが同時に起きたりします。
片頭痛になる原因は不明ですが、女性ホルモンの影響や、気圧の変化、ストレスのほか、片頭痛の前兆として閃輝暗点が起きることから、光に敏感な人がなりやすいといわれています。
脳血管が拡張し、三叉神経が刺激されることで、痛み物質であるペプチドなどが放出され、それによりさらなる痛みを引き起こすとされています。
急性の片頭痛には、痛み止めとしてトリプタンが処方されます。
なお、片頭痛の予防を目的として、利尿剤、Ca拮抗薬、抗うつ薬、漢方薬、β遮断薬などを、医師の診断のもと3~6か月ほど処方されることがあります。
【薬物乱用頭痛】
朝から頭痛が起こるのが以前は月に数回だったが、頭痛薬を飲みだしてからかえって敏感になり、薬の量が増え、頭痛が慢性化している状態を薬物乱用頭痛といいます。
月15日以上頭痛があり、月10日以上市販薬を服用し、3か月以上その状態である場合は薬物乱用頭痛の可能性があります。
【群発頭痛】
夜間や睡眠中に、頭の片側や目の奥からの激しい痛みが1~2か月にわたって生じます。
痛みは1~2時間続き、喫煙やアルコールの摂取も誘発因子とされ、男性に多く発症しています。
- 対処法
【頭痛体操】
でんでん太鼓・・・背筋を伸ばし、顔を正面に向けたまま、両腕を胸の高さに水平に上げて左右に振る
肩まわし・・・肘を曲げて、前まわしと後まわしをする
【生活習慣】
規則正しい生活で自律神経を整え、免疫を上げましょう。
寝だめもよくありませんので、睡眠時間は普段から一定に保ちましょう。
頭痛の発症にはストレスが関係しているので、ストレス解消を工夫しましょう(腹式呼吸、ストレッチ、運動、読書、入浴など)。
眼精疲労には蒸しタオルが有効です。
食生活の注意点としては、量は腹八分目で、毎日同じ時間に食事をするようにし、片頭痛の方はアルコールや嗜好品、お茶やコーヒーは控えめにしてください。
食事抜くと交感神経が興奮してしまうため、3食きちんと食べましょう。
以下の食品は、血管の拡張や収縮を促してしまうため、頭痛の症状がある方は食べるのを控えることが望ましいです。
血管拡張を促す食品:アルコール(赤ワインダメ)、加工肉(ソーセージ、ベーコン)保存料、甘味料
血管収縮を促す食品:チョコレート、ココア(チラシン)、チーズ、柑橘類、スナック、インスタント(グルタミン酸Na)
更年期による自律神経の乱れからくる不調でお悩みの方は、柔道整復師に相談してみてはいかがでしょうか。
一人ひとり、頭痛・めまい、不眠・だるさの原因が違うので、症状や改善法も異なります。
専門家に相談し、ご自身に合った改善を目指してください。