【手術をしない脊柱管狭窄症の改善技法の最前線】一人ひとり原因と症状が異なる脊柱管狭窄症!現場を知る柔道整復師(国家資格)が徹底解説

足のしびれや腰の痛みなどの症状は、脊柱管狭窄症である疑いがあります。
中には、ご自身が脊柱管狭窄症であると気づいていない方もいらっしゃいます。
<足のしびれ・痛み>
「歩いていると足がしびれてきて、だんだん痛くなる」
「足の裏が、いつもジンジンしている」
「すねの外側が、触ると感覚が鈍い」
「座っていて立ち上がろうとすると、足に電気が走るような痛みがくる」
<腰の痛み>
「長く歩くと腰が重だるくなって、痛くなる」
「朝、起き上がるときに、腰がなかなか伸びない」
「腰を伸ばしたり、反ったりすると、ズキっと痛む」
「自転車に乗っていて、段差を乗り越えるときに腰に響く」
<歩行困難>
「最近、長い距離を歩くのがつらくなった」
「少し歩くと足が痛くて、休憩しないと歩けない」
「押し車がないと安心して歩けない」
「歩くときに、前かがみにならないとつらい」
<その他の症状>
「しゃがんで立ち上がると、ももの裏がビリビリする」
「コルセットをすると少し楽だけど、お腹が張って下痢しやすい」
「整形外科で薬をもらって飲んでいるけど、あまり効かない」
「病院の先生に手術をすすめられた」
「すねやふくらはぎに痛みとしびれがあって、長く立っていられない」
「まっすぐ前を向いて歩けない。しばらく歩くと腰や足がつらくなり、前かがみになると楽になる。首もまっすぐにするとつらい」
また、これらの訴えの背景には、以下のような患者様の心理状態があると考えられます。
<原因不明の不安>
「なぜ、こんなに足がしびれるんだろう?」
「このまま歩けなくなってしまうんじゃないか?」
<治療への不満>
「薬を飲んでも全然良くならない」
「手術はできるだけ避けたい」
<日常生活の制限>
「旅行や買い物に行くのが億劫になった」
「趣味の活動ができなくなって、つまらない」
接骨院十字堂には、脊柱管狭窄症の症状で来院される方が増えています。
「座っていると、ももからすねが痛かった。ズボンをはいたり、立ち上がりなど生活に支障が出ていて、薬を飲んでも効き目がなかった。横向きや自転車は大丈夫。腎炎、逆流性食道炎、がんの既往歴があり、全身の緊張があり、膝や肩の痛みもある。子供と同居、心配性で病院にはまめに通って、薬もきちんと飲む。子供に迷惑をかけないよう、自分のことは自分でできるようにしたい」(70代女性)
「すべり症、狭窄症の手術を4回受けたが、腰、お尻からももに痛みが残る。立ったり座ったりすると、ピリピリ。自転車に乗って振動でも痛い。鉢植えが趣味で座って立ち上がりで痛いのが気になる。夜中にトイレ2~3回、便秘もあります」(70代男性)
「内臓の手術や鼠径ヘルニアなど既往歴があり、猫背で変形もあり、夜中にトイレで起きる。仕事はリタイアしているが、日常の買い出し、散歩で長く歩けなくなってきて、なんとかしたい。家の中では、何かにつかまったり、短い距離なので気にならない。神経が圧迫されて何ともならないかもしれないが、軽くなるのだろうか?なんとか正面をむいて歩きたい」(80代男性)
脊柱管狭窄症は、深刻な症状を伴います。出来るだけ早い時期に、専門家にご相談ください。
目次
1. 脊柱管狭窄症の患者様の分析と傾向

脊柱管狭窄症の患者様が抱える主な症状と、お困りごとをまとめました。
(1) 下肢の症状
足全体の重さ、しびれ(足裏、すね、足の外側)、もも裏の痛み、歩行時のしびれ・痛み。
これらの症状は、神経の圧迫によるものと考えられます。
(2) 腰の症状
腰痛(朝の起き上がり時、歩行時、腰を伸ばす・反らす)、腰の重さ。
これらの症状は、脊柱管の狭窄による神経への影響や、周囲の筋肉の緊張によるものと考えられます。
(3) 日常生活の困難
長時間の歩行が困難(押し車を使用、休憩が必要)、立ち上がり困難、姿勢維持困難(前かがみになる)。これらの困難は、患者様の活動範囲を著しく制限し、QOL(生活の質)を低下させます。
(4) 精神的な苦痛
「せつない」「困っていた」「このままいくと手術だといわれた」などの言葉から、患者様の不安や焦りが伝わってきます。
2. 脊柱管狭窄症の背景

狭窄症は神経の問題といわれますが、神経根の問題は全体の3%ともいわれます。
純粋に靭帯の肥厚(ひこう:厚くふくらむこと)や骨の変形などにより、神経の出口が狭くなり、神経が酸欠になったり、損傷や炎症を起こして働かなくなって、痛みやしびれ、麻痺が出ているなら手術しかありません。
ですが、残り97%かもしれない、筋・筋膜、関節、自律神経からくる痛み、しびれ、筋力低下であれば、改善する余地があります。
まず、神経性の問題か血管性の問題か判断します。
閉塞性動脈硬化症や糖尿病、高血圧など血管系の疾患があるなら、歩いていて立ちどまれば楽になるかを確認します。
しゃがまないと楽にならないなら、神経性の問題の可能性を疑います。
神経性なら、症状がデルマトームに沿って出ているか?腰だけか、下肢にも及んでいるか?
両側に出ているなら馬尾神経を疑い、筋力低下も上肢、下肢、左右をみて脳血管障害の可能性も見ておきます。
また、MRIやレントゲンで狭窄の診断を受けてから来院される方が多いのですが、たとえ器質的な疾患があっても、筋・筋膜、関節、自律神経からの症状が含まれている可能性があります。
そこに対して施術すれば、かなり楽になる可能性があるので、主に脊柱、骨盤の柔軟性を確認します。
そもそも内臓機能が衰え、体の中心が不安定になり、それを支えようと筋肉や骨に負担がかかって発症しているので、その逆をやっていけば改善します。
ただし、骨の変形や靭帯の肥厚は改善しませんし、そのまま生活しているとどんどん骨の変形が進行して、症状も悪化します。
さらに血液や血管の病気があると、改善しにくいです。
それらを踏まえて施術していくと、望んでいるゴールに近づくことが可能になると思います。
脊柱管狭窄症の背景には、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
これらの要因は単独で作用するのではなく、相互に影響し合いながら、脊柱管狭窄症の発症や進行に関与します。
(1) 加齢に伴う変化
加齢だけの影響なら、年1~2%硬くなる程度です。
① 椎間板の変性
加齢とともに椎間板が水分を失い、弾力性を失った状態で、姿勢のゆがみが加わり、偏った圧力が椎間板にかかり続けることで、椎間板が膨隆したり、突出したりすることがあります。
② 靭帯の肥厚
内臓の疲労や病気などから身体の中心が不安定になり、丸まった姿勢を維持するために背中の筋緊張が続き、脊椎は偏ったまま支え続けるため、骨は変形し、脊椎の中にある脊柱管に負担がかかった結果、靭帯も肥厚し、脊柱管を狭窄させることがあります。
③ 骨の変形
上記の姿勢の変化によって、偏った負担が背骨にかかり続けることで骨棘(骨の棘)が形成され、脊柱管を狭窄させることがあります。
(2) 姿勢や動作の問題
① 不良姿勢
猫背や反り腰など、不良姿勢が長期間続くことで、脊柱に負担がかかり、脊柱管狭窄症を引き起こすことがあります。
② 重労働
重い物を持ち上げるなどの重労働だけでは、脊柱管狭窄症は発症しません。
なぜなら、不安定な身体を支えるために前面の筋肉が緊張し、対抗するために腰の筋肉も緊張して、神経の出口が狭くなった状態で重いものを持ち上げようとすると、さらに狭くなって症状が出るからです。
同じ姿勢で立っていたり、歩いていると血流が不足して痛んだりしびれたりします。
ひどい場合は神経も引っ張って損傷や炎症を起こします。
重労働は、脊柱に大きな負担をかけますが、脊柱管狭窄症の原因ではなく、悪化させるきっかけだと捉えています。
(3) 先天的な要因
① 先天的な脊柱管の狭窄
生まれつき脊柱管が狭い人もいます。
② 脊椎の奇形
脊椎の奇形が原因で、脊柱管狭窄症を発症することがあります。
(4) その他の要因
① 外傷
脊椎の外傷が原因で、脊柱管狭窄症を発症することがあります。
② 脊椎の疾患
脊椎腫瘍や脊椎感染症、側弯、すべり症などが原因で、脊柱管狭窄症を発症することがあります。
③ 生活習慣
喫煙や運動不足は血流障害を引き起こします。
肥満は腹圧上昇や筋バランスの変化により姿勢が不安定化して、脊柱管狭窄症のリスクを高める可能性があります。
3. 脊柱管狭窄症で手術を検討されている方へ

脊柱管狭窄症で手術を提案された方もいらっしゃいます。
手術は最終的な選択肢ですが、手術前に検討すべきことがいくつかあります。
(1) 手術以外の選択肢の再検討(保存療法)
これらの治療法を再度検討し、効果が得られる可能性がないか確認しましょう。
- 薬物療法(鎮痛剤、神経ブロックなど)
- 理学療法(運動療法、物理療法)
- 装具療法(コルセットなど)
(2) 他の医療機関の意見(セカンドオピニオン)
手術を勧められた場合でも、他の医師の意見を聞くことで、より客観的な判断ができます。
脊柱管狭窄症の治療に精通した医師に相談することをおすすめします。
(3) 柔道整復師への相談
柔道整復師は、脊柱管狭窄症による痛みの緩和や機能改善、日常生活動作の向上をサポートします。
手術をする前に、一度相談してはいかがでしょうか。
身体の専門家である柔道整復師の視点からも、重要な考慮事項があります。
手術前に、ぜひ以下の点を検討してください。
① 体のゆがみと機能評価
姿勢がゆがみ、それでもまっすぐを保とうとした結果、脊柱が狭くなって症状が起きています。
まずは症状を和らげつつ、ゆがむ原因を探し、脊柱の狭窄が進行しないよう筋肉バランスがとれるよう整えていきます。
柔道整復師は、脊柱や骨盤のゆがみ、筋肉のバランス、関節の可動域などを評価し、脊柱管狭窄症の症状に影響を与えている要因を探ります。
これらの評価に基づいて、手術以外の方法で症状を改善できる可能性があるかどうかを検討します。
② 保存療法の可能性
立位で1分維持できないなど、狭窄がかなり進行していたり、糖尿病など血管や血液の既往歴がある方は症状を和らげることを重視しますが、それぞれの状況やご希望に合わせて施術計画を立てていきます。
たとえ手術になったとしても、筋力バランスを整え、体幹を鍛えておくことで、術後の状態が良好になります。
柔道整復師は、手技療法、運動療法、物理療法などを組み合わせ、痛みの緩和、筋力向上、姿勢改善などを目指します。
これらの保存療法によって、手術を回避できる可能性や、手術後のリハビリテーションをスムーズに進めるための準備ができる場合があります。
4. 柔道整復師の脊柱管狭窄症の改善のエビデンス

脊柱管狭窄症に対する柔道整復術の効果に関する大規模な臨床研究は、まだ十分とはいえません。
しかし、柔道整復師が行う手技療法や運動療法が、腰痛や下肢の痛みなどの症状を緩和する効果があるという研究は存在します。
柔道整復師の臨床経験や症例報告からは、個々の患者様の状態に合わせた適切なアプローチが、症状の改善に貢献する可能性が示唆されています。
多くの柔道整復師が、柔道整復術適応に関する教材開発など、エビデンスの確立に努めています。
5. 身体の専門家として柔道整復師が脊柱管狭窄症に向き合う

柔道整復師は、これらの背景を考慮しながら、患者様の個々の状態に合わせた施術を行うことが重要です。
施術の流れは、頭も含めて全体の循環を良くして、緊張を和らげ、上肢、下肢の緊張をとって、脊柱の柔軟性を上げ、内臓や横隔膜、胸郭まわりを緩めて、まだ不安定なら仙骨や足底なども施術していきます。
(1) 姿勢や動作の評価
患者様の姿勢や動作を評価し、脊柱に負担をかけている要因を特定します。
最終的には脊柱の柔軟性がないと改善しませんが、脊柱だけが原因ということは病気やケガ以外では考えられません。
手足や内臓、全身の血流など全身の状態を良くしたうえで、残っている原因を探してアプローチしています。
(2) 手技療法
全身の血流を改善したうえで、上肢、下肢の筋肉の緊張を緩和したり、骨盤や内臓の柔軟性を改善したりすることで、脊柱への負担を軽減します。
(3) 運動療法
患者様に合わせた運動プログラムを作成し、筋力や柔軟性の向上、正しい姿勢や動作の習得をサポートします。
単なる下肢の筋力低下というより、体幹の不安定が元になっていることが多いので、体幹の筋力を使える環境作りが大事だと考えます。
(4) 生活指導
日常生活での姿勢や動作の注意点、運動習慣のアドバイスなどを行い、症状の再発予防や日常生活の質の向上を目指します。
同じ姿勢は長くとらず、こまめに動き、腹式呼吸など体幹の柔軟性や筋力をつけること、特に重度の方には、睡眠や食事など患者様それぞれの問題点を明らかにして、負担を減らすようアドバイスしています。
(5) 医療機関との連携
必要に応じて医療機関と連携し、適切な医療を受けられるようにサポートします。
これらのアプローチにより、柔道整復師は脊柱管狭窄症の患者様の症状改善やQOL(生活の質)向上に貢献することができます。
脊柱管狭窄症でお悩みの方は、柔道整復師に相談してみてはいかがでしょうか。
一人ひとり、脊柱管狭窄症の原因が違うので、症状や改善法も異なります。
専門家に相談し、ご自身に合った改善をめざしてください。