脊柱管狭窄症(せきちゅうかん きょうさくしょう)手術しないためにできること
脊柱管狭窄症(せきちゅうかん きょうさくしょう) 手術しないために
まずは知識から
1 症状は
長く歩くと、しびれたり、足が重くなる。
腰を曲げたり立ち止まることでらくになる。
2 手術が必要なのは、
膀胱直腸障害といって
おしっこが出なくなったり、逆に止まらなくなったりする場合。
あとは、日常生活に支障でるくらい、筋力低下や痛みがある場合です。
3 原因は、
骨だけでなく、筋肉で神経と血管を圧迫して、
動かすと、引っ張る力が加わり
症状(痛み、しびれ、筋力低下)がでます。
4 骨だけの問題ではなく、筋肉が硬くて余計狭くしている場合は
セルフケアで変化するかどうか、試してみてください
多くは、血流不足も絡んでいるので、生活改善もすると変化がでやすいです
お待たせしました
本題のセルフケアですが
狙っている場所は、胸椎と股関節まわりです。
3ステップで行ってみてください
ステップ① 硬い筋肉を柔らかく(マイナスの状態からスタート地点へ持っていく)
ステップ② 関節を大きく動かす(動かす準備体操みたいなもの)
ステップ③ しっかり筋肉を使う(回数よりも、狙ったところがしっかり使えているかが大事)
ステップ①
ストレッチポールを使います
(胸椎)
(横向き)脇や胸など腕のつけ根をほぐす
(股関節)
(うつ伏せ)ももの前(上の方を重点的に)をほぐす
(横向き)お尻の横
(上になっている足の)内もも
(仰向け)お尻
ステップ②
② (胸椎)
(横向き)下半身固定したまま、上半身をねじる
(四つ這い)手を頭の後ろにあてて、前や後ろにねじる
背中を丸めたり、反らしたり
(股関節)
(座って)・片足かかえて、上半身を前に倒す
・足を大きく開いて、両手は膝にあて
上半身を前に倒して股割り
ステップ③
(胸椎、股関節)
(四つ這い) 手を足を互い違いに伸ばす
筋力アップが目的なら、回数や負荷、週2~3回以上などありますが
今ある筋肉を目覚めさせる目的なので
毎日、10~20回 一か月続けて見てください。
最後に、骨が狭くなるのは年齢のせいではありません。
腰に負担がかかるのが、原因です。
その原因を放置したまま、手術をしても再発したり、
セルフケアでよくなっても、負担かかったままだと、進行していきます。
神経の問題なのか、血流不足の問題なのか、知りたい場合。
(また、脳や脊髄、筋力低下なども鑑別しないといけない場合があります。)
検査は自分ではできないので
近くにある整体院、接骨院、整形などいろいろありますが、
全身をみてくれるところに行くことをお勧めします。
くわしく知りたいかたは、
下に目次があるので見てみてください。
目次
1 そもそもどんな症状か?
2 あなたの場合は、手術が必要なのか?
3 脊柱管狭窄症の原因を特定
4 筋肉のストレッチや関節を動かして、腰への負担を減らす
1 「脊柱管狭窄症(せきちゅうかん きょうさくしょう)」
症状は
:間欠性跛行(かんけつせいはこう)といって
「歩いていると、足が痺れる、痛くなる。」
「前傾姿勢で休むとらくになる。」
おじいちゃんやおばあちゃんが、時々立ち止まって腰をとんとんやるアレです。
前屈みでゆっくりしか歩けないのも、そういうことです。
どうしてそうなるのか、というと
「背骨の中心を通るトンネルや横穴が狭くなり、神経や血流の問題がおきる」から
教科書的には、
「腰椎部の脊柱管あるいは椎間孔の狭窄により、
神経組織の障害あるいは血流の障害が生じ、症状を呈すること。」
(引用:腰部脊柱管狭窄症ガイドライン 2011)
2 改善できるか判断
こんな時は病院でみてもらいましょう。
・膀胱直腸障害(おしっこがでない、または漏れてとまらない) ⇒病院へ
・明らかな筋力低下(ももが持ち上がらない、足首反らすことができない)
・生活に支障がでるレベルの痛み(じっとしてても痛くてうまく眠れない)
3 原因を特定してみよう
ポイントは、主に2つの原因(神経性と血管性)があるということ。
(実際は、両方混在していますが、どちらの問題が強いのか?違いを理解しておきましょう
1 神経性 : 前傾姿勢で、らくになる。 数分立ってるだけでも症状でる。
さらに、神経がどうなっているかによっても症状が違います。
損傷(ケガ) : 灼熱痛、浮腫(むくみ)もあるなら、損傷かも
・ 炎症 : 多くは、こちら
(こすれたり、潰されたりなど物理的ストレス、腸内環境など生活習慣も影響)
2 血流性 : 止まっていると、らくになる。 立ってるだけでは症状でにくい。
(関節を動かすと症状でる)
閉塞性動脈硬化症(ASO)、閉塞性血栓血管炎(TAO)など血管の問題
あなたは、どちらの問題が強そうですか?
ちなみに、1の神経の問題はややこしくて
神経そのものは、電線みたいに信号を伝えるだけで
たとえ骨でも神経の圧迫だけでは、(筋力低下や感覚障害は起こりますが)痛みは起こりません
圧迫に、けん引が加わった結果、痛みもおこるのです。
仮に、背骨が変形して、神経を圧迫しているだけで筋力低下、しびれがでているなら
これは、そうとうに重症で、手術を検討すべきだと思います。
(1センチの太さの神経があるとしたら、7ミリ圧迫されて、残り3ミリになっても大丈夫だそうです)
しかし、施術後に痛みが和らぐというケースがあることから、
骨の変形以外に、筋肉の硬さが加わって、(「けん引」が働き)、痛みを起こしていると考えられます。
さらに、血流の問題(例えば糖尿病など)があると、血液がうまく運ばれず
血流不足による痛みやしびれ、筋力低下が加わると考えられます。
つまり、神経と血管という2つの原因と書きましたが
それを引き起こすのは、①骨が狭いだけでなく、
②筋肉、③血流が関わっているケースが多いということ
神経のどのレベルに問題があるのかを探るには
- 症状が両側なのか、片側に出ているか?
1 両側に症状 →脊柱管(背骨の中心を通るトンネル)が狭くて、馬尾神経の問題
2 片側に症状 → 椎間孔(トンネルから枝分かれする部分)が狭くて、神経根の問題
- 2―片側に症状でているのはどのあたりか?
(そのエリアは神経支配と一致しているか?)
一致しない場合は、神経根ではなく、血流の可能性があります。
「骨が狭いことだけ」が原因で、症状がおきるなら、施術してもその場では変化でないはずです。
(→変化しない場合は、手術も検討すべきですが、
もう一つの血流問題を解決するよう、試してからでも遅くないと思います。)
でも現場では、筋肉や血流への施術をすると、その場で症状が軽減する例が多いです。
このことから、「筋肉や血流」など他の要素が強い場合は
手術を避けられるかもしれません。
※
ただし、骨が変形、狭くなっているということは
それだけ長い時間、悪い姿勢を続けてきたという結果でもあります。
その状況を放置すると変形が進行していき、手術は時間の問題です。
施術で骨にかかる負担が分散することで症状が軽減するなら、
さらに血流や栄養状態を改善することで
今のいい状態をキープすることはできるかもしれません。
でも、また悪い姿勢を続けたり
悪い生活(食事、運動、睡眠など)に戻ると、やはり症状は進行していくでしょう。
つまり、進行性の問題であると、覚えておいてほしいのです。
まとめると、
- 背骨がせまいのが、神経症状の原因なら、
神経ごとにエリアが決まっているので、筋力検査や感覚異常がある場所をチェックすればいい
具体的には、
(筋力検査)
・全身の筋力低下→脳
・両側の筋力低下→馬尾神経、脊髄の問題も考える
・片側の筋力低下→神経、筋力低下、血流不足など考えられます
・神経なら、「かくかく」して持続できない
・筋力なら全体に力入らない
感覚異常のエリア→支配神経のエリアと一致していれば、神経、
一致しないなら血流
といった具合に、問題を絞り込んでいきます。
また同じ神経症状でも
- 神経そのものが損傷していれば、灼熱感、むくみもでる。
- 神経の炎症なら、どんな方向でも動かすと痛い
というケースも知っておくといいです
つまり「原因が、筋肉や血流の問題が強いと手術回避できるかもしれない」ということ
4 セルフケアで筋肉を動かす
場所は、背骨(胸椎)、股関節の2か所。
- 硬い筋肉をマッサージして、骨が動きやすい環境を整え
- ストレッチなどで関節を動かす範囲を広げ
- 筋肉を鍛える
という順番で行ってください。
狭窄症では、損傷や炎症は少ないのですが、
神経の損傷や炎症に対して、直接手をつかった施術はできません。
電気やテーピングなどを使って痛みを和らげたり、
負担を減らして、直るスピードを早めることは可能です。
うまくいかない場合や、変化がでない場合は
腰や足以外の全身をみてくれるところを探すことをお勧めします。
近くの整形のリハビリでもそういう先生がいればいいのですが
医師の診断で、リハビリの箇所を指定されるので
腰や足以外は施術したくても難しいようです。
ちなみに当院では、施術でできることは、以下の2点。
- 腰部へのストレスがかかる原因をさがして解決
- 痛みを起こしている筋肉がどうしてそうなるのか、原因を探して解決
手術で問題が取り除かれたとしても、
原因となった姿勢や運動パターン、生活習慣
が改善されていなければ、再発することも十分考えられます。
では、何故腰部に負担がかかったかという点を考えると、以下の2つが大きいと考えます。
①―1 :背骨(胸椎)の動きが狭い、筋肉がうまく使えない
―2 :股関節の動きが狭い、筋肉がうまく使えない
(弱ってたり、別の場所にひっぱられて動きにくいなど)
なので、まずはこういった問題を解消する必要があります。
背骨(胸椎)も股関節も動きが大きい関節なので、ここが動かないと、間にある腰椎が過剰に動かざるを得ない状況になってしまいます。
その結果、腰椎まわりの筋肉が硬くなり、骨が変形し、脊柱管が狭窄されてしまうという流れです。
参考になるとうれしいです。
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