更年期まとめ
一般的に、
更年期の主な原因は、
①卵巣機能の低下によるエストロゲンの減少と言われていますが
実は、閉経後は、エストロゲンは、局所で増産されているという説があります。
つまり
②エストロゲンが増加することが原因だということ。
となると、どちらの考え方をとるかで、対策が変わってきます。
まずは
①女性ホルモン（エストロゲン）の分泌が減少が原因とする見方
更年期とは、女性の卵巣機能が低下し、女性ホルモン（エストロゲン）の分泌が減少することで、心身にさまざまな変化が現れる時期のことです。一般的には、閉経（最後の月経）の前後5年間、つまり45歳～55歳頃に当たります。
更年期の主な症状
更年期の症状は個人差が大きく、全く症状がない人もいれば、日常生活に支障をきたすほど重い症状が現れる人もいます。主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- ホットフラッシュ（ほてり・のぼせ）: 急に顔や体が熱くなり、汗をかく
- 発汗: 夜間に大量の汗をかく
- 動悸・息切れ: 胸がドキドキしたり、息苦しくなったりする
- めまい・耳鳴り: ふらつきや耳鳴りが起こる
- 頭痛・肩こり: 頭痛や肩こりがひどくなる
- 不眠: 寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりする
- イライラ・不安感: 気分が不安定になり、イライラしたり、不安になったりする
- 抑うつ: 気分が落ち込み、やる気がなくなる
- 性交痛: 膣の乾燥により、性交時に痛みを感じる
- 頻尿・尿漏れ: 尿が近くなったり、尿漏れしたりする
- 骨粗しょう症: 骨密度が低下し、骨折しやすくなる
更年期の原因
更年期の主な原因は、卵巣機能の低下によるエストロゲンの減少です。エストロゲンは、女性の体を守るさまざまな働きを担っており、その分泌量が減少することで、自律神経のバランスが乱れ、上記のようなさまざまな症状が現れます。（血管の収縮と弛緩をコントロールできなくなるから）
- 卵巣の機能が低下して、視床下部からの命令にうまく答えられなくなり、視床下部や自律神経が混乱
→血管運動神経の症状
- エストロゲンが減ると副交感神経が働きにくく、リラックスしにくい。加えてセロトニンとも連動しているので幸福感が得られにくい。加えて子供の独立や親との死別、仕事の変化など喪失体験
→うつが発生しやすい
・エストロゲンが減ることで、コレステロールが余って（脂質異常症）、血管内にプラークが形成
→動脈硬化へ（眼底検査でわかる）→ほおっておくと血栓症リスク
・エストロゲンが減ると、骨密度低下、もろくなる（閉経後２年が特に低下、１５年たつと手足が目立つ）
→骨粗しょう症へ
対策； 食事でCa、ビタミンD、Kをとる、ウォーキング、ジョギング
・エストロゲンが減ると、皮膚や髪のターンオーバーが乱れ薄毛へ
対策：寝る時間、起きる時間を一定にする、赤身や大豆などたんぱく、エクオール摂取？
４５～５５歳は
身体的な変化だけでなく、育児が終わり自分の存在意義の喪失感など
自分の人生のありようを問い直す時期（「人生の棚卸）という表現がされるようです）でもあるので、
真面目で一生けん命な女性ほど症状が強くでやすいようです。
脳科学の知見からすると、
生殖に必要な戦略として、
周りに大切にされないと自分や子供が危ないので、
生殖期は一番でいたい（マウントをとろうとする）けど、
群れたい（共感したいしされたい）という本能が働くようです
でも育児（生殖期）をすぎてもそれを続けようとすると
周囲に認めてほしくて一生懸命生きているのに認めてもらえない。
感謝やねぎらいの言葉がないと、世界が終わるかのような感覚になるそうです。
それを「いい子ちゃん症候群」というそうですが
自慢話多いけどひどく傷つきやすい
静かな場所で大声でしゃべる
話し出すと周りが見えなくなる
自分の時間の尺が分からない
相手の話をとる
などが典型的なタイプだそうです
そうならないためには
育児（生殖期）をすぎると、自己肯定感高めて、すみわけするのが一番いい
その自己肯定感を高めるためには、自分のやりたいことを、夢中になれることをみつける
自分のやりたいことに没頭することが一番だそうです
すると、この分野では私は一番、その分野ではあなたが一番だと
お互い尊重しあって、攻撃しなくてすむそうです
さらに、身体を動かす趣味、それもほめ上手な先生がいて、一緒に楽しめる友達がいるとなおいい。
更年期の治療法
更年期の治療法には、主に以下の3つがあります。
- ホルモン補充療法（HRT）: エストロゲンを補充することで、症状を改善する治療法
（閉経、月経あるけど卵巣の機能が低下している方）
副作用 ： 不規則な出血、お腹のはり、乳房のはり、むくみ
リスク ： 血栓症（脳卒中、心筋梗塞）、乳がん
事前に、
がん、血栓症（狭心症、心筋梗塞、脳卒中）、筋腫、内膜症、不正出血がないこと
肝臓、腎臓の病気、降圧剤、インスリン治療、乳腺症も注意が必要
- 薬物療法: ホットフラッシュやイライラなどの症状を緩和する薬を服用する治療法
（月経があり、女性ホルモンも正常な方）
（低用量ピル ４０歳未満のPMSに使用し更年期の方には血栓症リスク高いので使わない）
- 漢方療法: 体質や症状に合わせて漢方薬を服用する治療法
（月経があり、女性ホルモンも正常な方）
いらいら、うつ、頭痛、中途覚醒などの不調に
症状別にみてみると
- ホットフラッシュ（ほてり・のぼせ）
- 症状:
- 急に顔や体が熱くなり、汗をかく
- 夜間に大量の汗をかく
- 対策:
- 通気性の良い服装を心がける
- 室温調節をする
- 冷たい飲み物を飲む
- リラックスできる時間を設ける
- ホルモン補充療法（HRT）
- 精神的な症状（イライラ、不安、抑うつ）
- 症状:
- 気分が不安定になる
- イライラしやすくなる
- 不安感や抑うつ感を感じる
- 対策:
- 十分な睡眠を確保する
- ストレスを溜め込まないようにする
- 趣味やリラックスできる時間を持つ
- カウンセリングを受ける
- 漢方薬
- 薬物療法
- 身体的な症状（肩こり、頭痛、めまい）
- 症状:
- 肩こりや頭痛がひどくなる
- めまいや耳鳴りが起こる
- 対策:
- 適度な運動を取り入れる
- ストレッチやマッサージをする
- 入浴で体を温める
- 漢方薬
- 薬物療法
- その他の症状
- 症状:
- 不眠
- 動悸・息切れ
- 性交痛
- 頻尿・尿漏れ
- 骨粗しょう症
- 対策:
- 症状に合わせた対策が必要となりますので、医師に相談しましょう。
更年期対策のポイント
- 生活習慣の改善:
- バランスの取れた食事（まごわやさしい）
（糖質、たんぱく、脂質のバランス、野菜やきのこ、海藻で食物繊維やビタミン、ミネラルを）
エクオールの摂取について
大豆製品を食べてもエクオールを産生できるかは、腸内環境次第で個人差ある
（納豆、豆乳、豆腐）
エクオール産生菌がいるか検査できるキットがある（ソイチェック）
産生菌がない人はサプリをとることも
- 適度な運動：骨盤底筋鍛える
- 十分な睡眠：脳を休める（ノンレム）寝入り３時間が大事
身体を休める（レム睡眠）浅い眠り、夢をみる
睡眠による効果：成長ホルモン増やし、コルチゾル（攻撃）減らす
たまったゴミを洗い流す（アルツハイマー予防）
睡眠不足による害：糖尿、高血圧→動脈硬化→認知症のリスク
食欲過剰→太りやすい体質へ
（増進するグレリンがでて、抑制するレプチンというホルモンが出にくくなる）
睡眠障害の種類
・入眠障害：寝付くのに３０分～１時間かかる
・中途覚醒：何度も目が覚め、寝付けない
・早朝覚醒：２時間以上早く目覚め、眠れない。日中眠気
・熟眠障害：寝ているのに、疲れとれない。無呼吸もあるかも
対策：朝日を浴びる（１４～１６時間後にメラトニン分泌して眠くなる）
昼寝は３０分以内
夕方以降は明るい光を浴びない、オレンジ色にする
夕食は寝る４時間前、ブルーライトは避ける、お風呂は寝る９０分前
ストレスを溜めない
間違えやすい、病気との区別もしておく
・ バセドウ ：ほてり、異常発汗、動悸
・ 橋本病 ：落ち込み、無気力、冷え、かさつき
・ 子宮体がん ：不正出血→進行すると排尿困難、性交痛
５０～６０台以降に多い、閉経前後にホルモンバランスの乱れにより子宮内膜が異常増殖
月経不順、出産経験のない方、閉経が遅かった
・ 薬の副作用：ホットフラッシュ
・ 貧血、心臓、バセドウ：動悸
・ メニエール、脳：めまい
・ 高血圧：頭痛
・ うつ：落ち込み、いらいら
・ リウマチ、シェーグレン：関節の痛み、腫れ
（膠原病（自己免疫疾患の一つ）：血管、皮膚、関節に慢性的な炎症）
その他
・ 子宮頚がん：３０～４０台発症多い、性交によるウイルス感染
・ 乳がん：ピークが４０台後半、６０台前半の２つ
初潮早かった人、閉経が遅かった人、授乳経験がない人はリスク
アルコール、たばこ、肥満、運動不足、糖尿病とも関係深い
遺伝は５～１０％
・ 卵巣がん：４０～６０台、閉経後が多い
「下腹部に圧迫感があり、トイレにいくけどおしっこでない」
「風船のようにお腹が膨らんできた」などの症状
妊娠、出産経験がない、肥満、長期の月経トラブル、内膜症あった方は注意
肥満、アルコール、たばこはリスクがある
子宮周りの良性疾患
・ 子宮筋腫 ：良性のこぶ、
症状は、月経量が多い、不正出血、レバー状の血
原因がエストロゲンによるので、閉経が遅くなるが、閉経とともに縮小
・ 子宮腺筋症 ：内膜が厚くなって大きくなる
症状は、月経痛、月経過多、４０台、経産婦に多い
・ 子宮内膜症 ：内膜が子宮の外でできる
ピークは３０台だが、４０台以降はチョコレートのう胞に注意
痛み（月経痛、腰痛、下腹部痛、排便痛、性交痛）と不妊
その他
・ 糖尿 ：エストロゲン減ると、インスリンが低下→血糖高いと、動脈硬化へ
進行すると血栓症や網膜症（目）、腎症（腎臓）、神経障害（手足のしびれ）など
空腹時１００ｍｇ以上 ＨｂＡ１ｃ ５．６以上
対策：寝る前の飲食、血糖が急上昇する食べ方を控え、食物繊維をとり、運動習慣をつける
・ 脂質異常症 ：善玉コレステロール減少、悪玉、中性脂肪、総コレステロールが増加
余ったコレステロールが血管に張り付いて動脈硬化へ
進行すると血栓症
悪玉 １４０ｍｇ以上 善玉４０ｍｇ未満 中性脂肪 １５０ｍｇ以上
対策：糖質、アルコール、動物性脂肪のとりすぎに注意 食物繊維もとる
・ 高血圧 ：最高１４０ｍｇ以上 最低９０以上
エストロゲンが減少して、血管の柔軟性が低下
更年期高血圧は、めまい、動悸、頭痛、不安感の併発多い
慢性化すると動脈硬化へ
対策：生活習慣の見直し（塩分過多、アルコールとりすぎ、肥満、運動不足）
・下半身トラブル ＧＳＭ（エストロゲンが減り、筋肉、皮下組織の衰え、出産時の骨盤底筋損傷など）
症状：くしゃみ、腹圧かけたときに尿漏れ、座面の違和感、
夕方に股間の違和感や異物感が強くなる
・尿もれ ＜腹圧性＞ ：尿道（蛇口）が緩んでいる
＜切迫性＞ ：膀胱が過剰に収縮 ←薬
対策：骨盤底筋鍛える、適正体重、生活習慣、排便時にいきまないよう便秘の緩和
下のものを拾うときは、膝を曲げてとる
排便時は、上半身を前傾させておこなう
・ 骨盤臓器脱（膀胱、直腸、子宮の順に多い）
・ 性交痛 ←保湿ゼリー、エストロゲン補充など
骨盤底筋チェックリスト
✔ くしゃみすると、尿漏れやおならがでる
✔ 運動やストレッチしていると膣から空気がでるのを感じる
✔ 何かの拍子に膣から空気がでて音がなったことがある
✔ お風呂から出た後に膣から水が出てくることがある
✔ 椅子に座ると座面に何かあたったような違和感がある
✔ 自転車のサドルにあたる部分に痛みや違和感がある
✔ 夕方になると股間に違和感や異物感がある
＊１つでもあてはまったら骨盤底筋ゆるんでる
更年期指数チェックで不調のレベルを確認
✔ 顔がほてる
✔ 汗をかきやすい
✔ 腰や手足が冷えやすい
✔ 息切れや動悸がする
✔ 寝つきが悪い、眠りが浅い
✔ 怒りやすい、いらいら
✔ くよくよしたり、憂鬱になる
✔ 頭痛、めまい、吐き気がよくある
✔ 疲れやすい
✔ 肩こり、腰痛、手足の痛みがある
②反対に、エストロゲンが多すぎることが原因（エストロゲンが減少ではない）という説
閉経後は、卵巣から脂肪、骨、皮膚、脳などへ生成する場所が変わり、加齢とともに増加するとのこと
・脂肪 ：アンドロゲンからエストロゲンへの変換促進酵素（アロマターゼ）が加齢とともに上昇
閉経後、皮下脂肪では1.5～1.8倍
・乳腺 ：エストロゲン濃度が上昇、乳がん発生や進行に関与
・骨 ：血中濃度の３～４倍へ（骨粗しょう症になるのは、骨のエストロゲン濃度が高まるから）
2025年の研究でも、更年期以降 脂肪は血中濃度の１０倍以上のエストロゲン濃度
血中エストロゲン濃度が低くても、各組織の濃度は高いままキープしている
エストロゲンが原因で発症する子宮がん、乳がんは、更年期以降に多発
もし更年期以降エストロゲンが減少するなら子宮がんや乳がんは若い女性に多発するはず
若者でもガン発症が増えているが
PFAS,フタル酸、グリホサート（農薬）などエストロゲンに似た物質が増えているため、
更年期以降のほうが発がん率が高まるとのこと
プロゲステロン（抗ストレスホルモンであり、エストロゲンをブロックする妊娠ホルモンでもある）
は加齢とともに減少。
更年期以降、卵巣の黄体機能が停止、分泌は低下する結果、エストロゲン優位となる
（副腎からのプロゲステロンも分泌するが、量が足りないため、がん、自己免疫疾患、骨粗しょう症のリスクとなる）
また、エストロゲン優位というのは、女性だけでなく男性も影響があります。
切れやすい、焦りやすいというのはその可能性があります。
つまり、エストロゲン優位が原因（エストロゲンが減少ではない）
どちらが正しいのか何とも言えませんが
こういう見方があることも念頭にいれておくといいのではないでしょうか？
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